小野賢章×上田麗奈、ガンダムシリーズ参加は“プレッシャー” 『閃光のハサウェイ』対談
映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が公開延期を経て6月12日より公開された。
本作は、アムロとシャアの最後の決戦を描いた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の世界観を色濃く引き継ぐ同名小説を映画化したもの。反地球連邦政府運動「マフティー」が挑む新たな戦いを縦軸に、そのリーダーであるハサウェイ・ノア、謎の美少女ギギ・アンダルシア、連邦軍大佐ケネス・スレッグの交差する運命を横軸に描く。
今回、リアルサウンド映画部では、ハサウェイ・ノア役を演じた小野賢章と、ギギ・アンダルシア役を演じた上田麗奈にインタビューを行った。ガンダムシリーズに参加するプレッシャーや、おすすめの見方についても語ってもらった。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】
ファンのイメージがあるからこそのプレッシャー
ーー『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の出演が決まったとき、率直にどんな思いでしたか?
小野賢章(以下、小野):僕は(ガンダムシリーズに)パイロットとしては初めての参加だったので、決定の連絡をいただいたときは嬉しかったんですけど、嬉しいのは一瞬で、とにかくプレッシャーと、キャストが発表されたときの反響が良くも悪くも相当大きかったので、それに対する不安がありました。でも役者仲間や他の声優さんに「すごいじゃん」とか「楽しみにしている」とたくさん声をかけていただいたので、嬉しいのは本当でした。作品のクオリティに関しては、自信を持ってお届けできる内容になっていると思うので、早く公開になってたくさんの方に観ていただきたい気持ちがあります。
ーーやはり小野さんでもキャスト発表は緊張されるものなんですね。
小野:あのときが一番緊張していましたね。特に今回の『閃光のハサウェイ』に関しては佐々木望さんがずっと演じられていたので、ビックリされる方がたくさんいらっしゃるだろうなと思っていたので、とにかくドキドキでした。
上田麗奈(以下、上田):私も、林原めぐみさんと川上とも子さんがギギの声を担当されていたこともあり、ファンの方の中で「きっとこういう声だろう」とイメージしている部分が多かったと思いますし、そういった状態で新しくギギを担当するのは、すごく怖いというか、皆さんの純粋な思いを傷つけてしまうんじゃないかという不安がありました。プレッシャーを感じていましたし、だからオーディションの合格の連絡をいただいたときは、本当に「嬉しいのは一瞬」ってその通りなんです。すぐに逃げ出したい気持ちになりました(笑)。
小野:(笑)。
上田:でも私を選んでいただいたからには、いまの私にできることを探しながら、私なりにギギと向き合っていけたらいいなと。周りにガンダムシリーズが好きなスタッフさんも多く、「楽しみにしています」という声も直にいただいていたりしたので、頑張らなきゃと。
ーーそんな本作は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の世界観を受け継いだ作品です。収録前に、綿密な世界観や設定の共有が行われたと伺っています。
小野:やっぱり、ガンダムシリーズの歴史で教科書が一冊作れるくらいの情報量がありますし、最初は役を作っていく中で、入れておかなければいけない情報や、キャラクターたちがどういう思いで行動し、どういった背景があるのかといった、知っておかなければいけないことがたくさんありました。もちろん自分たちで予習もしていきますが、いきなり「テスト始めます」ではなく、全員で情報を共有して臨めたのはありがたかったです。
上田:確かに。
ーースタッフや村瀬修功監督との打ち合わせやディレクションで、演じる上でキーになった部分、印象に残っている部分はありますか?
小野:ハサウェイの青い部分、若い部分を出したいというのがあって、それがかなり印象に残っています。ハサウェイは、反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーなので、みんなを引っ張っていく部分や、かっこいい部分、大人っぽい部分が当然のようにあるのかなと思っていたんですけど、そうではなく、ハサウェイ自身もまだ若いし、本当に正解なのかわからない状態で、でも後に引けないから突っ走っているような。そういう状況の中で悩んだり、ギギに振り回されたりしているので、“周りに影響される青くささ”を出してほしいというところが印象的でした。やっぱりガンダムシリーズの主人公だし、カッコいい部分を出してあげたいという思いがあったのですが、そういうふうに演じると、ことごとく直されたりと(笑)。そういった部分はスタッフさんと一緒に作っていった感じがあります。
ーーお二人が出演されているYouTube(ガンダムチャンネル)のトーク番組で、ハサウェイについて「しっくりこない」とおっしゃっていたのが印象的でした。
小野:ハサウェイは、行動と気持ちと表情と言葉に表と裏があるんです。どっちが本当なのか、どっちが正解なのかわからないし、本当にいろんなことで悩んで、自分の中ではバラバラだったりするので、感情の流れに一本線が通っていないようにみえる、といった意味での「しっくりこない」だったのですが、ハサウェイにとってはそれが一つの正解なのかなという気もします。