南沙良が“正反対”な高校生を熱演 『ドラゴン桜』が“挑戦する全ての人”へ贈るメッセージ
菜緒の心はズタズタになっただろう。それでも桜木から目を背けることができない。あまりにも今の自分を言い当てていたからだ。「幸せになりたかったら、お前は覚悟を決めろ」。一度決めたらやり抜け。それが自分を幸福にするという重みのある一言。結論から言うと菜緒は賢かった。桜木の言った意味を理解したのだから。E判定は合格率20%で、それは「100回受験すれば20回合格できる」と桜木。「お前は生まれ持っての幸運を持ってる。受験しなければその運を使うこともできねえ。いいか早瀬、人生無駄にしたくなければ運に乗れ」。菜緒は踏みとどまった。
強くなくてもいい。ただ弱い自分から逃げるな。自分はラッキーだと信じろ。精神論のようだが、土壇場で自分を支えてくれるのは積み重ねてきた努力と自信以外にない。情報にあふれ様々な可能性が開けている現代は、自分次第で何にでもなれる一方、気付かないうちに迷路に足を踏み入れてしまうこともある。桜木の言葉は自己実現という言葉の核心を衝くものだった。
菜緒を演じるのは南沙良。「性格が正反対」(参考:南沙良、『ドラゴン桜』で女優としての成長を実感 早瀬菜緒役は「自分と一番遠い存在」)という高校生を熱演した。2017年に映画『幼な子われらに生まれ』でデビューした南は、東大専科では最年少ながら思いきりの良い演技を披露。目覚ましい成長を遂げる18歳には、プレッシャーも追い風に変えてしまいそうな勢いがある。
高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。
※鶴ヶ崎好昭の「崎」は「たつさき」が正式表記。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
日曜劇場『ドラゴン桜』
TBS系にて、毎週日曜21:00~放送
出演:阿部寛、長澤まさみ、高橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、西山潤、西垣匠、吉田美月喜、内村遥、山田キヌヲ、ケン(水玉れっぷう隊)、鶴ヶ崎好昭、駿河太郎、馬渕英里何、大幡しえり、深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.)、林遣都、佐野勇斗、早霧せいな、山崎銀之丞、木場勝己、江口のりこ、及川光博ほか
原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社刊)
プロデュース:飯田和孝、黎景怡
脚本:オークラ、李正美
演出:福澤克雄ほか
製作著作:TBS
(c)TBS