『ドラゴン桜』から今泉力哉監督作品まで “今一番気になる女優”志田彩良のこれまでを追う
雰囲気だけじゃない 『ドラゴン桜』でも見せる志田彩良の努力家の一面
さて、そんな志田彩良が現在『ドラゴン桜』小杉麻里役で注目を浴びている。第6話では男尊女卑の考えを持つ父親にDVを受け、進学はおろか退学までさせられそうになる麻里として、様々な表情を見せてくれた。みんなと一緒にいる時の暗い顔、自分の未来を信じようと父親に反論した時の強い眼差し、殴られた後自室で声を殺して泣く姿……そして最後、進学を許してもらえた時の幸せそうな表情。まさに志田彩良の魅力が思う存分に詰まった回となっていた。前述の通り、本作での役作りのために6キロ体重を落としたのは、複雑は家庭環境を反映させてのことだろうが、彼女がそういった作品の文脈に沿ってしっかりと役作りをしてきたことは、今に始まったことではない。
長編映画初主演作『ひかりのたび』でも、田舎の土地を周囲の声も気にせず外国人に売り飛ばしていく不動産ブローカーの娘という、社会派で難解な作品のテーマやキャラクターを理解するために、当時17歳になったばかりの志田は自ら「まずはお父さんの仕事を理解しようと思いました。自分で不動産ブローカーについて調べたり、台本からも『こういう仕事なのかな』と読み込みました」と語っている(引用:「ひかりのたび」主演・志田彩良、新鋭・澤田サンダー監督と歩んだ“生涯一度”の日々 : 映画ニュース - 映画.com)。
また、ドラマ『だから私はメイクする』(テレビ東京系)では、新人BA(ビューティーアドバイザー)の近藤芽生役を演じるにあたり、これまで学生役を演じることが多く職業に就いている役を演じるのが初めてだったため、接客業やBAの仕事をリサーチしたのだそう。こういった、しっかり自分の役の理解を務め、それに関連する事柄まで自らの意思で学ぶ姿勢は、確実に女優としての引き出しの多さに繋がっていくはず。『ドラゴン桜』でのこれからも、新作映画での活躍にも期待したいところだ。
※高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。
■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。Instagram/Twitter
■放送情報
日曜劇場『ドラゴン桜』
TBS系にて、毎週日曜21:00~放送
出演:阿部寛、長澤まさみ、高橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、西山潤、西垣匠、吉田美月喜、内村遥、山田キヌヲ、ケン(水玉れっぷう隊)、鶴ヶ崎好昭、駿河太郎、馬渕英里何、大幡しえり、深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.)、林遣都、佐野勇斗、早霧せいな、山崎銀之丞、木場勝己、江口のりこ、及川光博ほか
原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社刊)
プロデュース:飯田和孝、黎景怡
脚本:オークラ、李正美
演出:福澤克雄ほか
製作著作:TBS
(c)TBS