『おかえりモネ』清原果耶を動かす西島秀俊の言葉 百音が“いのちを守る”仕事と向き合う

『おかえりモネ』が描く“いのちを守る”仕事

「長浦さんは海で育って、海のことを知っている人ですし、山のことも知ろうとしている。なら、空のことも知るべきです」

 菅波とは違い、朝岡は常に穏やかな口調でモネに語りかけるが、とどのつまり2人は同じことを言っているのではないだろうか。“誰かの役に立ちたい”と思うなら、責任感を持ってあらゆる知識を身につけ、経験から学び続けることが必要だ。ただ待っているだけでは、起こり得る出来事を享受するだけでは、永遠にやりたいことは見つからない。

 2人の言葉に心動かされたモネは、初めて興味を持った「気象予報士」になるためのテキストを手に取る。そこには「いのちを守る仕事です」と書かれていた。菅波=医者は紛れもなく誰かの命を守る仕事だが、気象予報士もまた、自然と向き合い“会話”することで未来を予測し、起こり得る危険を人々に伝えて命を守る仕事だ。もっと言えば、漁師も、森林組合の人たちも、世の中のあらゆる仕事は誰かの生活を豊かにし、命を繋いでいる。山と海と空が水で繋がっているように、バラバラに見えても私たちの暮らしは今日も誰かの頑張りで成り立っているのだ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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