中川大志、満席の観客を前に「胸がいっぱいです」 ファンとの対面を果たし喜びの表情
映画『砕け散るところを見せてあげる』の公開記念舞台挨拶が4月10日に東京・新宿ピカデリーで行われ、中川大志、石井杏奈、矢田亜希子、堤真一、SABU監督が登壇した。
竹宮ゆゆこの同名小説(新潮文庫nex刊)を実写化した本作では、ある日、平凡な日々を送る濱田清澄(中川大志)が、学年一の嫌われ者と呼ばれる孤独な少女・蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う。玻璃は救いの手を差し伸べる清澄に徐々に心を開くが、彼女には誰にも言えない秘密があり、物語は予測できない衝撃の展開を見せていく。
「こうして映画を届けられること、みなさんとお会いできたことを感謝したい」と、少し言葉を詰まらせながら挨拶した中川は、満席の観客を眺めて「久々にこういう光景が見られて、胸がいっぱいです」と感無量の様子。石井も「やっと公開されたんだなと実感します。完成報告には、お客様がいらっしゃらなかったので」とファンとの対面を喜んだ。
撮影が行われたのは、2年半前。中川の母親役を演じた矢田は、「久しぶりにお会いしたら、本当に立派な男性になられて。なんかあったの!?って思うくらい」とほほえみ、「母として感慨深いです。かっこよくなって」と目を細めると、中川も「嬉しいです」と無邪気ににっこり。中川は「20歳になったばかりの時に撮っていたので、ニキビができてる感じとかも若い」と苦笑しながらも、「あの瞬間、あの時にしかない表情とか感じていることがいっぱいあったと思うので、それが残せてよかったです」としみじみ語った。
一方、同じく親子役を演じた石井と堤だが、撮影中にほとんど会話することがなかったそう。堤は石井に目をやり、「(劇中では)衣装が暗くて、(ケガで)ボコボコだったりしたけど、こうしてお美しい姿が見られて。かわいいわ」と柔らかな表情。石井も「堤さんは現場では別人なので、目の前にいた時には本当に怖くて。今日、お話しできて嬉しいです」ととびきりの笑顔を見せる。堤は「(石井が)集中していたから、邪魔しちゃいけないと思って」と撮影当時を振り返るが、中川は今日の2人の掛け合いに「ホッとする」といい、「今でもちょっと震えますもんね。あの時を思い出すと」と、堤の強烈な芝居への本音をこぼした。
SABU監督は「難しいと思っていた濁流の撮影で奇跡が起きた」とし、「撮影の3日前くらいに、不謹慎ですけど台風がきて。良い感じの濁流感が出たので、これは『流してやろう』って」と語ると、中川は「延期になると思ったら、こんな中やるんですか!?って」と心境を吐露。だが、「吹き替えにしようと思ったけど、中川くんが『できます!』って言うから流れてもらったら、仰向けで流れてきて。なに爽やかに流れてんの?って」とSABU。その後、うつ伏せで流れることになった中川は「息ができないし、僕はどこまでいってるんだろうって思いながら流れていました」と過酷な撮影を懐かしんだ。