藤原竜也が背負う“青”の意味 『青のSP』が示した学校の“あるべき姿”

『青のSP』が示した学校の“あるべき姿”

 出演者とスタッフについて触れておきたい。藤原竜也を中心に真木よう子、山田裕貴のトリオと、宝塚退団後初のドラマ出演で香里を好演した明日海りおが作品の軸を担い、名バイプレイヤーを揃えた職員室は終始、安定感があった。カンテレが制作を担当する火曜夜9時枠の充実ぶりを象徴するようなキャスティングだった。

 生徒たちも米倉や鈴木のほかに、池田優斗や鈴木悠仁らが各回のメインで個性を発揮した。特に、真田一樹役の中川翼と三村翔子役の吉柳咲良は全話を通じて隆平のパートナーとして活躍。中川は第1話で衝撃の逮捕シーンを演じたのち、最終話でも岡部に挑みかかるなど、キレのよい演技で話題をさらった。実は、中川は映画『僕だけがいない街』で藤原演じる悟の少年時代を演じていた(同作には、鈴木梨央も雛月加代役で出演している)。未来の名優に出会える学園ドラマの醍醐味が本作には詰まっていた。

 警官の制服、若さの象徴、愛する人を失った悲しみ。青が意味するものはさまざまだが、生徒たちと全力で対峙する隆平の正義感こそ、この色にふさわしいように思える。青空のような可能性を秘めた10代と真摯に向き合う限り、大人たちも青さを失わずに生きていくことができるのだろう。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/schoolpolice/
公式Twitter:https://twitter.com/bluesp_tue21
公式Instagram:https://www.instagram.com/bluesp.tue21/

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