『花束みたいな恋をした』鑑賞者は必見!? 坂元裕二『大豆田とわ子と三人の元夫』への期待

坂元裕二、“4人”の“群像劇”で真価を発揮

 4月よりカンテレ・フジテレビ系火9ドラマ枠で『大豆田とわ子と三人の元夫』が放送される。

 本作は、『カルテット』(TBS系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『Mother』(日本テレビ系)など数々の連続ドラマを手がける脚本家・坂元裕二による完全オリジナル作品となるロマンティックコメディ。3回結婚して3回離婚したバツ3・子持ちの社長・大豆田とわ子(松たか子)が、“三人の元夫”に振り回されながら日々奮闘する模様を描く。とわ子のことを忘れられない“三人の元夫”として、最初の夫・田中八作を松田龍平、二番目の夫・佐藤鹿太郎を角田晃広、三番目の夫・中村慎森を岡田将生が演じる。

 現在は公開中の映画『花束みたいな恋をした』が大ヒットを記録している脚本家・坂元裕二。矢継ぎ早の新作発表に喜びの声が上がっている。本作は、『カルテット』の松たか子と松田龍平が再タッグを組み、『カルテット』の佐野亜裕美プロデューサーが手がけることでも注目だ。ドラマファンの間で傑作と名高い『カルテット』だが、どんな魅力があるのか。ライターの麦倉正樹氏に放送当時を振り返ってもらった。

「数多くの傑作ラブストーリーを世に送り出してきた坂元裕二さんですが、『カルテット』に関しては、サスペンス要素が入っていたのが面白かったです。全話を通して観ても、最後まで一体どのジャンルに属する作品なのか言い切れないところに、視聴者は翻弄されていた印象があります。松たか子さん、松田龍平さん、高橋一生さん、満島ひかりさんと珠玉のキャスト4人が謎めいた過去を抱えながら、4人の台詞回しで魅せていく魅力に満ちた作品でした。坂元裕二ドラマの醍醐味が詰まった作品で、まさに代表作と言えるのではないでしょうか」

 そんな『カルテット』を魅力的にした松たか子と松田龍平の共演について、麦倉氏は「間違いない」と食い気味に反応する。

「松たか子さんと松田龍平さんの共演は間違いないでしょう。『カルテット』では、キャラクターの善悪がコロコロと反転するような信用できなさを体現し、かつ親しみやすさを感じさせる底知れなさを見せてくれました。松さんは昨年の単発ドラマ『スイッチ』(テレビ朝日系)でも坂元さん脚本のドラマに顔を出しており、坂元ドラマに外せない人になっている印象もあります」

 また、本作は松たか子、松田龍平、角田晃広、岡田将生の4人の関係性にフォーカスが当たる。麦倉氏は、「4人」という数字が坂元裕二ドラマにおいて重要な意味を持つと解説する。

「4人というのは、『最高の離婚』や『カルテット』など坂元ドラマにとって絶妙にフォーカスされる数字なんです。『花束みたいな恋をした』は菅田将暉さん演じる麦と有村架純さん演じる絹の2人にフォーカスした話でしたが、『カルテット』『最高の離婚』に繋がる4人の目線で物語が語られることが注目ポイントだと思います。1対1でなく、群像劇での会話の醍醐味を楽しめると思います」

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