『監察医 朝顔』風間俊介が伝えた今を生きるための言葉 “ごめんばこ”が明日への希望に
上野樹里が主演を務める『監察医 朝顔』シーズン2(フジテレビ系)が、2月22日に第15話を迎えた。
最終章「家族の時間編」のスタートとなる今回。里子(石田ひかり)のものである可能性があった歯の検査結果が朝顔(上野樹里)に伝えられた。結果は、里子ではなく、岩手の仙ノ浦から40km離れた宮城県の方のものだった。
それを聞いた平(時任三郎)は「そっか。遠いな」とつぶやく。朝顔もため息にも似た口調で「遠いね」と。その距離が意味することはあまりにも残酷だ。里子の生きた証があるはずと僅かな望みを信じて宮里沼を捜していた平と朝顔。けれど、その証は津波に流され、遠く離れた見知らぬ土地で今も静かに眠っているのかもしれないのだから。
朝顔は重苦しい空気を変えるように「お母さんの話聞かせて」と平にお願いする。つぐみ(加藤柚凪)にも後で聞かせるためにと朝顔はスマホで録音を開始。それに平は「俺も聞きたい。老後の楽しみにする」と一言。刻一刻と進行していく平のアルツハイマー型認知症は、つぐみでもその異変に気付くほどとなっていた。かつての同僚との飲みの席で平が言った「できれば迷惑かけないでこっそり一人で死にたい」は、きっと冗談半分、本音半分。自殺した方の気持ちが分かると朝顔を心配させたこともあった。それでも平が「あとどれぐらい残ってるか分からないけど、自分に残された時間を朝顔たちと楽しく生きる」と終わりに前向きになったのは、家族の支えのおかげだ。
桑原(風間俊介)は平に「もし、お父さんが僕のこと忘れても、僕がお父さんのこと覚えてるから大丈夫です」と伝えた。献身的に介護をしていくという、平にとっては未来に向けた希望の言葉。しかし、その言葉も明日にはきっと忘れてしまっている。今を生きるための言葉でもある。そして、桑原は「ごめん」と謝ってばかりの平のために、「ごめん」と言ったら1000円の罰金の制度を敷くことに。明くる日、つぐみが持っていたのは「ごめんばこ」。早速、平と朝顔が1000円の罰金となる。そうやって、少しづつ平の周りからネガティブは消えていった。