間宮祥太朗、ついに玉森裕太に宣戦布告! 『ボス恋』動き始めた五角関係の行方は?
そんな中、中沢(間宮祥太朗)から「仕事に意味つけてどうなる? 色んな考えがあって色んなスタイルがあって、総じて“仕事”で良いんじゃねぇの?」と、奈未の心の葛藤を見透かしたかのような発言。最初は目標のない奈未をバカにしていたが、自分のことには無頓着ながら他人の気持ちが踏みにじられることは許せず、文句を言いながらも咄嗟に動ける奈未の成長を間近で見てきた中沢の一言は、彼女の心の支えになっただろう。
中沢はついに潤之介に「あんたがそんなんなら俺、遠慮しないから」と宣戦布告。さらに奈未にも「鈴木、俺お前のこと好きだわ。俺ならお前のこと泣かせない」とストレートに想いを伝える。前話、渡せずにしまい込んだおにぎりの分まで、これまでの秘めたる想いを込めて。自分に好意を寄せているだなんて露ほども思っていない奈未に「またまた中沢さんったら〜」なんてはぐらかすことを一切許さない、“真意”“本音”しかそこにない見事な告白だった。
普段から口数も多くない中沢というキャラクターに本気モードのオンオフの強弱をつけるのはかなり至難の業だと思うが、演じる間宮祥太朗は、それを表情、こと目の動きや、佇まい、間合いで、“ただならぬ”事態感を全面に押し出していた。
非常に端正な顔立ちとさらにユーモアまで持ち合わせているからか、これまで個性的な役どころへの抜擢が目立った間宮にとって、正統派恋愛作品への出演は本作が初めてと言えるかもしれない。『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)で演じた“ごもちゃん”こと五文字順太郎役もなんだか憎めない、一生懸命で変化球な役どころだったが、『ボス恋』で見せてくれている王道感も上手くハマっていて、本作での中沢のターンを待ち望んでいたファンも多かったことだろう。
今話では、「夢」を追うことの葛藤も描かれていた。現時点で明確な夢を持たない奈未にとっては「夢」があるというだけで輝いて見える羨ましい存在だろうが、実は夢を持つ者にもそれぞれの苦悩があるのだ。
音楽家ジストニアにより思うように演奏ができない理緒、コンテストに落選し父親から夢を追う期間を定められている潤之介、『MIYAVI』の販売部数の維持ができずに雑誌の存続を守ることとこれまで大事にしてきた自身のポリシーの間で揺れ動く編集長の宝来麗子(菜々緒)。皆、それぞれに叶えたい夢があるがゆえにそれに届かない状況が歯痒く、傷つき自己嫌悪に陥ったり自暴自棄になったりもする。また様々な“選択”を迫られて悩み苦心したり、何かにすがりたくなったり、肩入れしすぎたりしてしまう。
今回珍しく自身の選択に揺らいだ麗子に対して、フラットな意見を伝えられたのは、今まさに“自分のやりたいこと”を模索中でまだ何にも固執していない奈未だったからこそとも言える。次週、五角関係がどう展開するのか、また『MIYAVI』の存続がどうなるか必見である。
■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter
■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS