藤原竜也と吉田鋼太郎の白熱のバトルは必見! 『カイジ ファイナルゲーム』の悪魔的な魅力
豪華キャストとの共演は『カイジ』シリーズの見どころの一つ。『人生逆転ゲーム』での、地上74メートルの鉄骨上で松山ケンイチや光石研と交わす魂の叫びや、『人生奪回ゲーム』で坂崎(生瀬勝久)たちと立ち向かう総力戦は、後世に語り継がれる名シーンとなった。カイジの前に出現する“敵”も魅力的だ。利根川(香川照之)、遠藤(天海祐希)、裕美(吉高由里子)は、コンゲーム的な要素を持つ『カイジ』シリーズに欠かせないキャラクターである。
『ファイナルゲーム』でも、新たに吉田鋼太郎や福士蒼汰が敵役として登場する。舞台で共演を重ねた吉田との白熱のバトルは必見だ。さらに、9年ぶりの最新作ではフレッシュな顔ぶれも多く起用。関水渚や新田真剣佑をはじめ、瀬戸利樹、山崎育三郎、笠松将らがカイジの運命を翻弄する。
ギャンブルとトリックと人間心理に駆動される『カイジ』は、名セリフの宝庫でもある。「勝て! 人は勝たなきゃウソだ」、「迷ったら望みだろ。望みに進むのが気持ちのいい人生ってもんだろ」、「さえずるな!」、「俺は勝つ。最悪の運命、最悪の恐怖、ありとあらゆる障害、不平等、不正、不満、すべてねじ伏せて俺は勝つ」など、人生への洞察に満ちた片言隻句がそこかしこに散りばめられている。『ファイナルゲーム』でも、勝負師の熱い言葉に注目してほしい。
ギャンブル、あるいは命賭けの人間が生み出すドラマは、悪魔的とも呼べるスリルを伴う。勝負は時の運だが、それまでに積み重ねた全てが結果になって現れる。人間の暗黒面を描いているのに、最後は希望についての話になっているところが『カイジ』の奥深さであり、多くの人間が(わかっていても)カイジに賭けさせられてしまうのは、痺れるような生への渇望を呼び起こされるからだろう。
あなたも『カイジ ファイナルゲーム』に賭けてみてはどうだろうか? 金曜の夜に悪魔的にうまいビールを味わうために。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
『カイジ ファイナルゲーム』
日本テレビ系にて、2月12日(金)21:00〜22:54放送
出演:藤原竜也、福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎、松尾スズキ、生瀬勝久
監督:佐藤東弥
原作:福本伸行『カイジ』(講談社ヤンマガKC刊)
(c)福本伸行・講談社/2020映画『カイジ ファイナルゲーム』製作委員会