『マーメイド・イン・パリ』で人魚役に挑戦 マリリン・リマからのポジティブなメッセージ
映画『マーメイド・イン・パリ』が全国公開中だ。パリを舞台にした本作は、恋を捨ててしまった心優しい男性と人魚の偶然の出会いと恋を描くラブストーリー。老舗のバーでパフォーマーとして働くガスパールをニコラ・デュヴォシェル、美しい歌声で男性を虜にし命を奪ってきた人魚ルラをマリリン・リマが演じる。
今回リアルサウンド映画部では、人魚のヒロイン・ルラを演じたリマにインタビュー。日本の観客へのメッセージから、人魚役の挑戦、マチアス・マルジウ監督との出会いまでを語ってもらった。
日本での公開は「本当にサプライズだった」
ーー世界で猛威を振るっているコロナウイルスですが、今はどんな日々を過ごしていますか?
マリリン・リマ(以下、リマ):実は最初のロックダウンの後にバスク地方に引っ越したんです。歩いてすぐ海がある小さな村で、自然に囲まれて、のびのびと暮らしています。フランスではこれまでに2回もすでにロックダウンが実施されました。もちろんそれに慣れたとは言わないけれど、どんな状況でもなにか楽しみを見つけることが大切だと思うから、私自身は洋裁だったりポジティブなことに集中する時間を作っています。
ーーそんな楽しみのひとつとして、映画『マーメイド・イン・パリ』が日本で公開されました。
リマ:私にとって本当にサプライズでした。実は、フランスでは最初のロックダウンの2週間前に公開されたから、2週間で上映が一度打ち切られてしまいました。だから、その分というわけじゃないけれど、日本の皆さんが観てくれたらすごく嬉しいです。
ーー資料ではマチアス・マルジウ監督はリマさんの起用理由について、価値観が似ていたからと語っていました。
リマ:最初の出会いのときって誰でも少し控えめになるものだと思いますが、マルジウ監督とは初めて会ったときからどこか共感するものを感じて、自分の人生観や好きなものをオープンに語り合えました。数時間話し込んでしまって、その後スタジオに行かなきゃいけなかったから、走って駅まで向かったくらい(笑)。彼はアドバイスをするのがすごく上手なんです。私の恋愛相談にも乗ってもらいました(笑)。私にとってすごく大事な人ですね。
ーーそんなマルジウ監督の作品で、リマさんは人魚という少し変わった役に挑戦しています。
リマ:まず、こんな大役を新人の私にオファーしてくれたことがとにかく嬉しかったです。人魚役は、ちょっとした冒険だったし、不安もあったけれど、監督の期待に応えるためにも全身全霊で臨むことを決意しました。ファンタジックな世界観を保てるように心がけていました。