『レッドアイズ』第3話はあまりにも悲痛な結末に 亀梨和也と忍成修吾の対峙が意味すること
「銃を下ろしなさい」「私が言ってるの」。彼女が指す“私”とは、上司であるKSBCセンター長・島原か、それとも、夫を無惨に殺害された妻・由梨か。冒頭、湊川誘拐に自責の念を感じ、捜査を焦る伏見に対し「そう思うなら、冷静になりなさい」と、島原は言った。その言葉通り、目の前で何が起ころうとも島原は、KSBCセンター長として冷静であり続けた。
「犯人確保」。その瞬間を見届け、ようやく「島原由梨」に戻ることが許されたのは、暗く冷たい廊下だった。信嗣が事件直前に島原へ送っていたメッセージ。そこには、来年の今日へと希望が綴られていた。蠣崎が願ったとおりの絶望が、島原を襲う。「人間にとって最強の劇薬は想像力」。島原と信嗣が描いていた未来は、蠣崎によって奪われた。あまりに悲しい慟哭が響く。
犯行文を掲載しないと決断したこと、蠣崎による第二の被害者が花倉だと気付かなかったこと、そして、花倉を逮捕したときのこと……自身の行動・判断ひとつひとつを、島原が悔やまないはずがない。
「君に会えて幸せだった」。信嗣が残した言葉が、島原の絶望と自責を少しでも、なぐさめてくれることを祈りたい。
次回はいよいよ「青いコートの男」の正体に迫る内容になるのだろうか。放送後には次回の30秒PRを、放送前には60秒PRを観るのだが、いずれも映画の予告と見紛うほどのボリュームだ。痛みも悲しみも、容赦なく描き出す『レッドアイズ 監視捜査班』。最新鋭の技術と天才的な頭脳、完全無欠の世界のなかに描かれるからこそ、アナログで脆い「人間」の痛みが、こんなにも胸を刺す。
※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter
■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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