菅野美穂×沢村一樹の恋の可能性は消滅? 『ウチカレ』恋の矢印が変わり続ける
水無瀬空(浜辺美波)、大人への第一歩。それは未知との遭遇であり、天変地異の事件のデートだ。相手は、運命の相手と信じてやまない渉(東啓介)。190cmのデカすぎるイケメン整体師から「上野動物園にコツメカワウソの赤ちゃんが来たの。見に行く? 一緒に」と誘われた小さなオタク女子の初デートである。空の気持ちは、ドキドキドキドキスッポンモドキ。ゾゾタウンでおめかしをし、碧(菅野美穂)から伝授された“わざマシン母”を胸に向かうは、上野動物園。「渉先生!」。
ここまでが、ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)第2話の物語。今週もさぁ、第3話とテレビの前で身構えていたのだが、空の恋は渉の飛び出した(付け)鼻毛で早々と散ることとなる。振り返れば、第2話の冒頭もたった3日で終わった碧から渉への恋と、この母娘があまりにも似たもの同士なのか、渉が鈍感などじっ子要素(裏腹にプレイボーイの可能性も孕んでいる)を持ち合わせているのか。少々気は早いが、第3話のラストは碧が第4話のキーパーソンとなるユウト(赤楚衛二)に「キタキタキタキタキタキツネ! 私、この人と恋するわ」と自ら恋愛フラグを立てるのだが、二度あることは三度ある。第4話の冒頭でまたしても、ハートブレイクして肩を落とす碧の姿が目に浮かぶ。
ありがと。真夜中に #ウチカレ エゴサしてて見つけました。(さすがにもう自分の名前はやらない。オンエア中は。書けなくなると困るから)。明日の(もう今日)3話も面白いよ。転換期に来たな、という感じ。さて、私、ここからどうする?! https://t.co/REUOKzSRM6
— 北川悦吏子 (@halu1224) January 26, 2021
脚本を手掛ける北川悦吏子の「3話も面白いよ。転換期に来たな、という感じ。」というツイートの通りに、第3話は相関図に新たな矢印が結ばれたり、反対に矢印が消えたりと、様々な恋が動き出す回となった。気が気ではなかったのは『ウチカレ』がドラマとしては、前代未聞とも言えるプロモーション方法を取っていたことである。
それは、第3話の放送前日、26日に第4話の予告を先出しで公開してしまうというもの。しかも、その映像は第3話のオンエア内、初っ端のCM前にも流れており、視聴者はそれを半強制的に見せられることとなる。内容は、碧と漱石(川上洋平)とのキスを予感させるシーン、さらに渉にデートを迫る空と入野(岡田健史)が鉢合わせとなる場面。言ってしまえば、これは漫画の最新刊を読んでいる途中に、週刊誌の最新号をパラ読みしてしまうようなもの。第3話では、碧が幼なじみであるゴンちゃん(沢村一樹)とデートに出かけるストーリーがメインとなるが、案の定、その先にはフられるという展開が待ち受けていた。
ボブ・ディランのライブを観に行った帰り道、ゴンちゃんが口ずさむのは「風に吹かれて」。取り壊しが決まった母校・すずらん小学校のグラウンドでバスケをして、童心に帰る2人。年下美女とのお見合いが進んでいるゴンちゃんに碧は勢いのままに「嫁に行くのやめませんか?」と投げかけてしまうが、それは言い間違いであり、正しくは「嫁をもらうのやめませんか?」。しかも、そのボールをがっしりと両手で受け止めた、いつまでも小学生の猿ことゴンちゃんは、「お前の気持ちには応えられない、すまん!」と真摯にボールを投げ返してしまう。徹底的にフられた形になった碧は意気消沈。そこに新たに舞い込むのがユウトとの恋の予感というわけだ。