『ステージ・マザー』監督が名作との共通点を語る 劇中の親子関係は実体験もベースに
2月26日公開の映画『ステージ・マザー』で監督を務めたトム・フィッツジェラルドからコメントが到着した。
本作は、『キッズ・オールライト』やNetflix映画『シカゴ7裁判』を製作したJ・トッド・ハリスがプロデュースを担当。『世界にひとつのプレイブック』などで知られるジャッキー・ウィーヴァ―が主演を務め、『キル・ビル』やドラマ『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』のルーシー・リュー、ドラマ『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のエイドリアン・グレニアーが脇を固め、トランス女性のドラァグクイーン・チェリー役を、同じくトランス女性の俳優で『タンジェリン』の好演で知られるマイア・テイラーが務める。
ある日、テキサスに住むごく普通の主婦メイベリンは、ゲイバーのオーナーでドラァグクイーンの息子の死をきっかけに、彼が経営するバーを相続することに。息子が生きているときにはわかり合えなかった後悔をバネに、彼が自分らしく生きた街で、メイベリンもまた自分らしさとは何か、生きるとは何かを見つめ直す。あらゆる偏見の壁を乗り越えてチャレンジすることで見えてくる、新たなる希望と友情を描く。
ごく普通の田舎の主婦がドラァグクイーンとゲイバーを再建するというストーリーについて、フィッツジェラルド監督は「『マリー・ゴールド・ホテルで会いましょう』や『旅する女 シャーリー・バレンタイン』のような研ぎ澄まされたバランスのユーモアとドラマを狙った。また、『パレードへようこそ』『キンキーブーツ』のように保守的でストレートなキャラクターたちがLGBTQコミュニティを徐々に受け入れていくことをテーマにした作品を目指しているんだ」とイメージする作品を挙げ、「これら全ての映画に共通しているテーマは、水から出された魚のような場違いな環境に置かれた人物を描いているということ。前述の映画で主人公たちにとってインド・ギリシャ・イギリスの炭鉱町などがエキゾチックな環境だったように、本作の主人公のテキサス育ちのメイベリンにとって、サンフランシスコのゲイバーはエキゾチックな環境だ」と主人公たちの共通点を解説する。
本作について「感情的に共感できる要素を含んだコメディ作品」と解説する監督は、「ドラァグクイーンの世界と、宗教的な母が息子の性を受け入れる様子は、私の経験から直接得た知識を基に制作してる」と自らの体験が大きく作品作りに影響していたことを告白。また「実は私もディーバなんだ。教会の聖歌隊から抜けて、家出して、教会で学んだことを使ってエンターテイメント・ショーの世界に飛び込んだ」と聖歌隊の指揮者からゲイバーの経営者になった主人公と、自身の経歴に通じるものを感じていると語った。
■公開情報
『ステージ・マザー』
2月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
出演:ジャッキー・ウィーヴァ―、ルーシー・リュー、エイドリアン・グレニアー、マイア・テイラー
監督:トム・フィッツジェラルド
配給:リージェンツ
原題:Stage Mother/2020/カナダ/93分/PG12
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公式サイト:stage-mother.jp