岩田剛典、俳優としてさらなる高みへ 『AI崩壊』『空に住む』“ハマり役”得た2020年

岩田剛典、俳優としてさらなる高み

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEやEXILEのパフォーマーのみならず、俳優としても着実にキャリアを積み上げつつある岩田剛典。近年は映画での活躍が目立っている彼だが、この2020年を経て、これまで以上に自身の路線を掴みつつあるように思う。

 『ハイロー』の愛称で親しまれる『HiGH&LOW』シリーズ(2015年〜)での印象もいまだに強い岩田。しかし、アクションが大きな見せ場である同シリーズだけでなく、ここ数年はさまざまな座組に参加し、“映画俳優”の一面をのぞかせるようになってきた。2018年には、中村文則による小説を原作としたミステリー映画『去年の冬、きみと別れ』で主演を務め、“謎めいた”青年役を好演。いまいち感情を読み取ることのできないこのキャラクターは、観客をミステリーの袋小路に迷い込ませ、岩田のハマり役となったのではないかと思う。それはまさに、「こんながんちゃんが見たかった!」という具合いにである。その後の『Vision』(2018年)では、河瀬直美監督のもと、ジュリエット・ビノシュや永瀬正敏といった国際的に活躍する演技者たちと対峙。岩田もまた“演技者”としての闘いがはじまった感触を、いち観客ながら筆者は得ていた。

『Vision』(c)2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

 そんな流れがありながらも、アイドル的な一面も残してはいたように思う。少女マンガが原作の『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(2018年)では杉咲花とともに胸が苦しくなる恋模様を展開させ、同じくマンガ原作の『町田くんの世界』(2019年)では、超新人の細田佳央太をはじめ、太賀(現・仲野太賀)、池松壮亮、北村有起哉、佐藤浩市らという最若手からベテランまでの演技者たちと肩を並べた。ここまでに記してきた一連の作品を振り返ってみると、そこには岩田の俳優としての順応性の高さが刻まれているのではないかと思う。

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