波瑠と松下洸平が向き合った“わかり合う”こと 『#リモラブ』が人々に宿した温もり

『#リモラブ』が描いた“わかり合う”こと

 最後まで美々との関係に苦戦した青林だったが、五文字(檸檬2)とのライバル関係にも決着をつけ、美々とも向き合うことを決める。そして「キャベツ」は「ステーキ」にはなれないことを伝えつつ、「例え何であっても、僕は君を受け止めることだけはできる、自信はあるよ」と宣言する。

 松下洸平は、思い悩む青林を演じる中で時に切ない表情を見せ、声を荒げることさえあった。それでも青林というキャラクターの穏便さと誠実さを、その真っ直ぐな瞳で演じていた。「受け止め男子」と自称した青林だが、好意ある相手から放たれる球を取りこぼさず、受け止め続けることはそう簡単ではない。それでも食い下がり、懸命に踏ん張って支えようとするその姿勢には、思わず胸がキュンとしてしまう。そしてそんな青林を演じた松下が、必要以上に美々をリードせず、「受け止め男子」として丁寧に、美々の頑なな心を解いていく芝居が心地よい作品でもあった。

 朝鳴(及川光博)と富近カップル、八木原(高橋優斗)と栞(福地桃子)カップル、我孫子、五文字、など挙げたらキリがないほど愛しいキャラクターたちは、まさに今の苦しい時期を「もう少し頑張ってみようか」と自然と前を向ける力を与えてくれた。それでも、苦しくて倒れそうな時は、私たちの心の中の青林に寄り掛かってしまえばいい、きっと優しく「受け止めて」くれるに違いない。素晴らしい作品からもらう温もりで、じんわりと心を満たされる瞬間ほど、幸せなことはない。

※高橋優斗の「高」ははしごだかが正式表記。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』
TVerにて最新話配信中
出演:波瑠、松下洸平、間宮祥太朗、川栄李奈、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、福地桃子、渡辺大、江口のりこ、及川光博
脚本:水橋文美江
演出:中島悟、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/remolove/
公式Twitter:@remolove_NTV
公式Instagram:@remolove_NTV

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