『ワンダーウーマン 1984』はクリスマスにぴったり!? 前作から一転、80’sの恋愛映画的な作りに

『ワンダーウーマン 1984』はクリスマスにぴったり!? 前作から一転、80’sの恋愛映画的な作りに

 重いよ! ダイアナさん! というわけで、『ワンダーウーマン 1984』(2020年)である。本作の冒頭は、既に公式からリリースされているように、主人公ワンダーウーマンことダイアナの少女時代から幕を開ける。壮大なスケールでダイアナの故郷、女戦士たちが暮らす絶海の孤島セミッシラにて、幼いダイアナが“SASUKEレベル100”みたいな競技に挑戦。それが終わったら、時代は一気に1984年へ。成長したダイアナ(ガル・ガドット)が悪を倒し、人を助ける姿が描かれる。80年代の軽快な空気感の中で、清々しいまでのヒーローっぷりが炸裂……と思いきや、ヒーロー活動を終えて帰宅したダイアナの部屋には、前作で劇的な死を遂げた恋人スティーブ・トレバー(クリス・パイン)の在りし日の写真があちこちに飾ってあるのであった。重いよ、ダイアナさん……。そりゃ前作であれだけ仲の良かったスティーブが目の前で爆死したから、引きずるのは仕方がないけれど……。

 そんなダイアナさんは博物館で働いているのだが、そこに奇妙な石が持ち込まれるところから物語は始まる。石を前に「何じゃこりゃ?」と頭をひねる同僚バーバラ(クリステン・ウィグ)と友情を築くダイアナさん。そこに詐欺まがいの商売に手を染めた結果、破産寸前になっている商売人マックス・ロード(ペドロ・パスカル)が登場。ロードはバーバラに急接近し、彼女を篭絡したうえに石を奪っていく。実は奇妙な石の正体は、どんな願いも叶えてしまうマジモンの魔法の石で……。

 前作『ワンダーウーマン』(2017年)はヒーローの誕生譚であり、同時に第一次世界大戦を舞台にした戦争映画でもあった。泥まみれの人々が這いずり回る荒み切った景色の中、颯爽と活躍するワンダーウーマンはカッコいいの一言。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)で初登場したときのダークでシリアスなビジュアルを受け継ぎつつも、適度なユーモアとドラマティックな恋愛劇、そしてド迫力のアクションが炸裂する娯楽活劇の傑作だったと思う。そんな前作から一転して、今回は舞台にもなっている80’sの恋愛映画的な作りになっている。そのためか、アクションに関してはやや弱い。強烈な印象を残した『バットマン vs スーパーマン』のドゥームズデイ戦のようなバチバチの肉弾戦や、前作の戦場での大暴れを期待すると、やや肩透かしを食らうだろう。また、公開時期の変更によって作中の「時事ネタ」がズレてしまっているのも気の毒だ。

 しかし期待外れかと言うと、そうでもない。なぜなら本作は、失恋映画として良い形に仕上がっているからだ。本作のダイアナは元彼スティーブとの恋を引きずる女性として登場する。そんな「涙など見せない~♪」と竹内まりやムードのダイアナさんの前に、まさかのスティーブが復活。ダイアナは歓喜に包まれ、2人は前作に続いて息もぴったりなカップルとして行動するのだが……。こうした想い人との再会を果たす物語の宿命通り、彼女は映画中盤で究極の選択を迫られる。この選択が泣かせる。クライマックス以上にドラマティックだと言ってよい。

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