『鎌倉殿の13人』異例のキャスト発表はいかにして生まれた? プロデューサーに裏側を聞く

コロナ禍がもたらしたもの

――今回の会見は素晴らしかったのですが、これが三谷さんにしかできないことだとすると、今後同じことをやりたい大河ドラマ関係者は苦労するだろうなぁと思いました(笑)。そこは悩ましいところですね。

長谷:そこは、それぞれのチームで最良の方法を考えるしかないですね。我々も今回、三谷さんが脚本でなければ、全く違う形になっていたと思いますし、コロナ禍でなければ今まで通りの会見を開いたと思います。全部が苦しい状況だから知恵を絞って生まれたものですね。

――やはり、コロナ禍の影響が大きかったんですね。

長谷:“朝ドラ”も大河ドラマもテレビ番組全体の収録が止まるなんてことは想像してなかったですよね。夏頃はまだ今後の方向性を模索している状態で、落ち着いたら例年どおり記者会見をしようという話もありました。そこから知恵を絞って、今のやり方に代わりました。

――今後、追加キャストもあると思うのですが、どのように情報を出していこうとお考えですか?

長谷:どのような形になるかはまだ決まってないです。その後、来年の夏には撮影をはじめたいと考えてますので、その準備をしています。折を見てみなさんに作品のビジュアルですとかをお見せできるのではないかと思います。今回はたまたま、あのような会見となったわけですが、まずはドラマを作るための準備を、粛々とやっていきたいと思います。

川口:テレビの可能性は同時体験だと思うのですが、観た人が同じタイミングで情報を共有して楽しむというのが理想ですよね。今回も発表の後、様々な意見がSNSで盛り上がりましたが、そういった楽しみ方も番組の一つなのだと思います。ですので、今後も、タイミングをうまく考えて新たな情報を発表していきたいです。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、2022年放送
主演:小栗旬
出演:小池栄子、片岡愛之助、宮澤エマ、坂東彌十郎、宮沢りえ、南沙良、杉本哲太、金子大地、新納慎也、迫田孝也、菅田将暉、大泉洋、松平健、小泉孝太郎、佐藤二朗、中川大志、野添義弘、山本耕史、横田栄司、辻萬長、阿南健治、中村獅童、栗原英雄、小林隆
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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