『35歳の少女』娘たちへ「ごめんね」から「愛してる」 涙なしでは観られない鈴木保奈美の名演
柴咲コウが主演を務めるドラマ『35歳の少女』(日本テレビ系)が12月5日に第9話を迎えた。
時岡家に大きな転機が訪れる。それが多恵(鈴木保奈美)の死だ。
くも膜下出血に心不全、多恵が意識を取り戻すのは無理だと言われていた。それでも諦めずに望美(柴咲コウ)や愛美(橋本愛)、進次(田中哲司)が希望を灯し続けられたのは、多恵が日々付けていた日記、そして望美が25年の眠りから目覚めた喜びと興奮から録音していたカセットテープにある。
日記に書かれていたのは、YouTubeをフィールドに時間泥棒と化する望美をもとの娘に戻したいという母としての使命にも似た思い、またあの日のように4人で食卓を囲んですき焼きを食べたいという願いだった。カセットテープに吹き込まれていたのは、涙を拭いながら奇跡を待ち続けた25年間にわたる苦労とこれから娘と描いていく明るい未来。「もう一度あなたを抱きしめることができる。あなたの笑う声をもう一度聞くことができる。あなたと一緒に昔録音したテープを聞くことができる」。未来を信じていた多恵だったが、残念ながら現実は少々違っていた。胸にしまいこんでいた母としての愛を受け取り、望美は多恵が眠る病室へと向かう。
とんぼは諦めないことの象徴。童謡「トンボのメガネ」に乗せた望美たちの思いが届いたのか、多恵は一時的に目を覚ます。見守る望美、愛美、進次に対して多恵が繰り返すのは「ごめんね」の言葉。進次にはそのまま笑っているだけでいいと、愛美には今まで寂しさに気づいてあげられなかったこと、向き合うことに逃げてしまったことを謝罪する。
謝ってばかりの多恵に、望美が話しかけるのは「~できた」という希望に溢れた言葉だ。
「ママはいつだって正しい。ママのおかげで私は初恋の人に自分の思いを告げることができた。ちょっと情けなくなったけど、昔と変わらずとっても優しいパパにまた甘えることができた。背が高くて美人さんになった愛ちゃんと兄妹喧嘩することもできた。すっかり白髪になって恐くなったけど、私がちゃんとこの世界で生きていけることを願っているママとまた暮らすことができた。私は世界で一番幸せな娘だよ」