『おちょやん』は笑いと感動を届ける朝ドラに 第1週は毎田暖乃の感情豊かな演技が爆発

『おちょやん』第1週の見どころポイント

トータス松本のこれでもかというダメ親父っぷり

 そんな千代の暮らす竹井家の中で、異彩を放つのが父のテルヲ。一言で言えば、ダメ親父である。仕事も家事も娘に任せっきり。気が弱いくせに、見栄っ張りなところもさらにダメ親父の拍車をかけている。千代が道頓堀へ奉公に出るのも、家族が少なくなれば少しは生活が楽になるのではという考えからである。第1週のラストは奉公に出て行く千代をテルヲが追いかけるシーンとなるが、ある一言で最後までダメ親父っぷりを見せつける、救いようのない父親である。

 ほかにも見どころとしては、富田林市のある南河内郡の少々汚い大阪言葉、さらに要所でリアクションを入れ、時には可愛いイラストで解説をつける語りの黒衣にも注目だ。

 先述したラジオで杉咲はいよいよ放送が迫る『おちょやん』について、「大切な人との別れとか出会い、血の繋がりを超えた愛とか、娯楽との出会いなどを通して千代という人が一歩ずつ確かに進んでいく姿に私自身も演じながら勇気をもらっていますし、きっとみなさんにもそう思ってもらえる作品になっているんじゃないかと思います」とリスナーに呼びかけていた。

 朝ドラとしては異例の8カ月間、日本中を励まし勇気付けてきた『エール』(NHK総合)に代わり、次は『おちょやん』が憂鬱を吹き飛ばすほどの笑いと感動を全国に届けていく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
NHK総合にて、11月30日(月)より放送開始
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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