トータス松本、『おちょやん』主人公のダメおやじに 「最後は少しぐらい良い人間になるのか……」
11月30日より放送がスタートするNHKの連続テレビ小説『おちょやん』。主人公・千代(毎田暖乃/杉咲花)の父親・テルヲを演じるトータス松本のコメントが公開された。
本作は、女優の道を生き抜き、「大阪のお母さん」と呼ばれるようにまでなった、ひとりの女性の物語。
テルヲは、養鶏で生計を立てているが、鶏の世話や家事も娘の千代にまかせっきりの駄目な父親。見えっ張りだが気が弱く、世渡り下手。しかし口は達者で女性にはモテる。千代にとっては、憎みきれないトラブルメーカーであり続ける。
本作への出演が決まった際、トータスは躊躇の気持ちがあったそうで、「“朝ドラ”は、家族全員で毎朝日課のように見ているもので大河ドラマとはまた違いますよね。イメージがまったくわかなかったです。そのなかに自分がいるのが想像できない(笑)。撮影が始まってからも、不思議に思いながら演じていますね(笑)」と率直な気持ちをコメント。
演じるテルヲについては、「ひどいお父さんですよ(笑)。台本を読んでいても、この人はいったい何を考えているのだろうと。だらしなくて、どうしようもない。ぼくらは生きていくなかで、家族に対する愛情とか世間体、恩や義理など人との調和を考えていきますが、テルヲはそういうことをあまり考えたことがない人なんでしょうね」と分析。
テルヲを演じるにあたって製作陣からは、『おしん』の作造(伊東四朗)のように演じてほしいとリクエストがあったそうで、「“西の作造さん”になってくれませんか? だったんですよ。小作農家の作造さんは、一生懸命家族のために働いても働いても報われず、貧乏な暮らしに耐えきれず、娘を奉公に出すことになって……。なにも悪いことしてない、ひたむきに家族のために働いているだけなのに。かたやテルヲって……。完全にテルヲが悪いだけですよ。おまえがちゃんとすればいいんじゃ! 作造さんとまったく比較にならないですよ、情けないですね、話が違う(笑)」とテルヲの特殊さを改めて語った。
主演を務める杉咲花とは、2012年以来の共演。杉咲について、「いろんなドラマに出演されて、めきめき頭角をあらわし、すごい女優さんになったなあと感心しきりです。なんか親戚の娘さんの成長を見ているような感じですよね。最初から能力の高い方でしたよね」その演技力を絶賛した。
最後に視聴者に向けて、「テルヲが今後だらしなくてどうしようもない父親のままなのか、それとも最後は少しぐらい良い人間になるのか。死ぬ時ぐらいは良い人間でいたいなあと思っていますが、予定調和すぎますかね(笑)。テルヲのこれからを温かく見守ってください」とメッセージを送った。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
NHK総合にて、11月30日(月)より放送開始
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK