『おちょやん』は笑いと感動を届ける朝ドラに 第1週は毎田暖乃の感情豊かな演技が爆発

『おちょやん』第1週の見どころポイント

 連続テレビ小説103作目となる『おちょやん』(NHK総合)が、11月30日よりスタートする。

 芝居の街・大阪道頓堀を舞台に、喜劇女優として活躍し大阪のお母さんと呼ばれるまでになった女性・千代(杉咲花)の波乱万丈の物語。タイトルの「おちょやん」とは、小さい女中さんを表す「おちょぼさん」がなまった大阪言葉で、親しみやすさとかわいらしさ、意地と誇りなどの象徴としてタイトルに付けられた。本記事では、オンエアを前に第1週「うちは、かわいそやない」の見どころを解説していく。

メインキャスト勢揃いの幕開け

 メインキャストがズラリと勢揃いする中、主人公を務める千代(杉咲花)の視聴者に向けた挨拶が第1話の幕開けとなる。並ぶのは、杉咲花が演じる千代に、子供時代の千代を担当する毎田暖乃、さらに千代の運命の相手となる喜劇一座の座長・一平(成田凌)、千代の父・テルヲ(トータス松本)、千代の母親的な存在になっていく芝居茶屋「岡安」の女将・シズ(篠原涼子)の5人……と『おちょやん』の語りであり、黒衣としても登場する桂吉弥だ。

 爽やかかつ威勢の良い千代の口上は、やがて物語の結末を知らせる内容に。そこにテルヲの激しいツッコミが入り、やがて舞台を走り回るドタバタ劇へと発展していく。その間にも、千代と一平のやり取りやシズの凜とした佇まいが映し出され、個性豊かなキャラクターの一面と『おちょやん』という笑い溢れる人情物語を短い時間で見事に説明している。

毎田暖乃のパワフルかつ感情豊かな演技

 物語の始まりは大正5年、大阪・南河内から。9歳の千代を演じるのは、およそ500名のオーディションの中から選ばれ今回が初の大役となる毎田暖乃だ。貧しい家に生まれた千代は、幼い頃に母・サエ(三戸なつめ)を亡くし父・テルヲと弟・ヨシヲ(荒田陽向)の3人で暮らしている。そこにテルヲが連れてくるのが新しい母親・栗子(宮澤エマ)である。その容姿から集落の男性たちを魅了していく栗子だが、本性はテルヲ以上に朝寝坊で、家事もしないというずぼらな女性。次第に千代とも対立していき、気づけば「千代 VS 栗子」といった構図が出来上がっていく。

 目を見張るのは、毎田暖乃のパワフルかつ感情豊かな演技だ。千代は口が達者で、機転が利く人物。それは今後、奉公に出ることになる芝居茶屋でも生かされることとなるが、すでに栗子とのバトルでも遺憾無く発揮されている。座長を務める杉咲花が本格的に登場するのは第3週から。パーソナリティを担当するラジオ『杉咲花のFlower TOKYO』(Tokyo fm)の中で杉咲が「自分はちゃんと出来るんだろうかと不安になってしまうくらい、真っ直ぐに千代を演じている」と毎田の演技を称賛しているほどだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる