『恋あた』仲野太賀に『#リモラブ』間宮祥太朗 恋愛ドラマの“2番手キャラ”が魅力的なワケ

恋愛ドラマの“2番手キャラ”が人気?

 さらに『#リモラブ』でも間宮がそんな“2番手”ポジションを担う。間宮が演じる五文字は、美々と恋仲になる青林(松下洸平)の友人であると同時に、美々を思うライバルでもある。しかし絶妙な人間関係が魅力の『#リモラブ』では、五文字が美々と青林の恋を壊すどころか応援。だが、五文字は五文字で美々を諦めたわけでもなく、ささやかに想い続けている。「青林との友情は友情、だが恋は恋」と割り切り、ヒロインとは不思議な距離感を保つ五文字なのだ。

『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(c)日本テレビ

 前述の新谷のように熱い思いをぶつけてくることはないが、五文字には「距離感」という武器がある。作品自体が「ソーシャルディスタンス」など今の世の中を描いた「距離」に焦点を当てているだけあって、五文字のこの踏み込まない愛情はかなり新鮮に映るのではないだろうか。余裕があるわけでもなく、勝ち目があるわけでもないが、美々のためにこの「距離感」を守っていると感じられる五文字のスタンスは、側からみるとかなり応援したくなる存在だ。

 さらには間宮の“甘え上手”な芝居が利いており、五文字からはなんとも憎めないかわいさが滲み出ている。青林と仲睦まじく社内で盛り上がる姿は“あおちゃんごもちゃん”として親しまれている。ヒロインを奪い合うはずのライバルと盛り上がり、その姿の愛らしさが人気となるキャラクターも、そうそういないだろう。誰から見ても憎めない不思議なキャラクターながら、強い魅力で作品を引っ張っているのだ。

 それぞれのキャラクターの魅力と、役者の巧みな演技力で“2番手”ポジションはより光を増す。ともすれば視聴者にとっても「2番手」のまま終わってしまうところを、個性を見せることで作品に惹きつけ、つい応援したくなる魅力的な人物として存在感を顕にするのだ。作品が終盤に進むにつれ、ヒロインはヒーローと結ばれていくことになるかもしれない。しかしそれでも、彼らの幸せを願わずにはいられないのだ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『この恋あたためますか』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、飯塚悟志(東京03)、古川琴音、佐藤貴史、長村航希、中田クルミ、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史
脚本:神森万里江、青塚美穂
プロデュース:中井芳彦
演出:岡本伸吾、坪井敏雄
主題歌:SEKAI NO OWARI「silent」(ユニバーサルミュージック)
製作著作:TBS
(c)TBS

『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜23:00放送
※第7話は12月2日(水)放送
出演:波瑠、松下洸平、間宮祥太朗、川栄李奈、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、福地桃子、渡辺大、江口のりこ、及川光博
脚本:水橋文美江
演出:中島悟、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/remolove/
公式Twitter:@remolove_NTV
公式Instagram:@remolove_NTV

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