浜辺美波&田中圭、2020年は映画やドラマに引く手あまた “役者としての特性”が大きな理由?
加えて、クセのない演技力もまた彼らの魅力だ。実は芝居をする上においては、「何の個性もない」ということが一番難しい。人は歩き方から仕草、姿勢や表情に必ず癖があるものだ。猫背気味であったり、歩幅が広かったり、内股・外股である人もいる。このような癖がある以上、いわゆる「普通」という模範解答を全ての仕草で完璧にこなすことは実に難しいことなのだ。どんな役を演じても、見ていて相手に違和感を抱かせず、さらにキャラクターに没入させるような演技をできることが田中や浜辺の強みだろう。
また田中は、今年演じた役の中でどれが一番印象的だったかというと視聴者によって意見が割れるのではないだろうか。『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課 神崎・黒木』の黒木か、『先生を消す方程式。』の義澤先生か、はたまた別の役を挙げるか。このように様々な意見が出るというのは、裏を返せばそれだけ安定した結果を出し続けているということでもある。ドラマにおいて、より深くキャラクターを描き、背景にフォーカスするには、こうした役者の力が必要なのだ。
浜辺も同様に、『思い、思われ、ふり、ふられ』の朱里のイメージを持つ者もいれば、『タリオ 復讐代行の2人』の真実のイメージを思い描く人もいる。どの役をやってもハズさない実力のある女優ということになる。
こうして2人はスターダムに駆け上がり、2020年にかなりの作品数で活躍する俳優・女優となった。もちろんこれから確固たる個性を確立する日がくるかもしれないし、このまま何者にもなれる強みで色を変えながら活躍し続けるかもしれない。しかし彼らの持つ魅力は、一長一短で消えていくものではないだろう。息の長い俳優として活躍することが予想される。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
ドラマ10『タリオ 復讐代行の2人』(全7回)
NHK総合、BS4Kにて、毎週金曜22:00〜放送
出演:浜辺美波、岡田将生ほか
制作統括:川田尚広、高橋練、岡本幸江
演出:木村ひさし、山本透
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/78YR8PJXJ5/
■放送情報
『先生を消す方程式。』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:田中圭、山田裕貴、高橋文哉、久保田紗友、森田想、高橋侃、秋谷郁甫、奥山かずさ、榊原有那、川瀬莉子、田中亨、松本まりか
脚本:鈴木おさむ
音楽:HAL
監督:小松隆志ほか
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:秋山貴人(テレビ朝日)、遠田孝一(MMJ)、小路美智子(MMJ)
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
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