宮沢氷魚、アキラの軽さと誠実さを体現 『エール』華が出会った“運命の人”

宮沢氷魚、アキラの軽さと誠実さを体現

 「華、軽い女になる」「明日放送!」という任侠映画ばりのテロップで、華(古川琴音)の並々ならぬ“軽い女計画”が宣言された前回。『エール』(NHK総合)第114話では、その華の軽い行動が意外な結果を生むこととなる。

 別れを告げられた元恋人の渉(伊藤あさひ)にも、職場の同期で来月に寿退職をする榎木(佐藤玲)にも華が言われてしまったのが、“重い”という言葉。そこには真面目と優しさの2つが重なりあっていると榎木は指摘する。

 そんな自分を変えるために、華はあろうことか夜の街へ。気軽に付き合える女になろうと積極的に男性と杯を交わすが、華の出した結論は「どうなってんの。今の日本男児は」。その中の一人、アメリカの大学で医療の勉強をしてきた外科医、のちに華から“アメリカ野郎”と呼ばれる男性の自慢話にあるリハビリテーションの考え方が、彼女を変えることとなる。

 運動障害が残らないよう、病院で訓練して元の生活や仕事に戻れるようにするリハビリテーション。当時、アメリカに比べ100年遅れているという日本の医療では、リハビリはまだまだ一般的ではなかった。院長の指示からそのリハビリの対象となったのが、ロカビリー歌手のアキラ(宮沢氷魚)である。

 ステージで骨折し、華が勤務する病院に入院するアキラ。嫌がるだろうという華の思いとは裏腹に、アキラの返答は「面白そう! やろう」という意外なものだった。壁を頼りに松葉杖なしで歩くつらいリハビリ。華が支えながらもアキラは悲鳴を上げながら廊下に倒れこむ。

 「リハビリテーションは地道な努力の積み重ねなんです」。そう言い聞かす華だったが、逆にアキラからきちんと知識がないまま治療にあたっているのではないかと言い返されてしまう。昼はリハビリ、夜は勉強……という華の陰ながらの努力もあり、アキラは杖なしで自力で歩けるようになる。その成果は少しづつだが、二人三脚でリハビリに励んできた日々の賜物。アキラと喜びを分かち合う華に、彼を思う気持ちが芽生え始めていた。

 入院患者の妻で、信頼するチエ(山口果林)から、アキラは病室を明るくし、気配りできる優しい子と教えられる華。チエがアキラから貰ったという白い筋が綺麗に取られたみかんを、実際に家で再現し頬張りながら口にする姿は、もはや恋する少女である。

 そんなある日、華はアキラからプロポーズに近い、愛の告白を受ける。キザなセリフやウインクを散々送っていたアキラだったが、きちんと華と向き合い「俺と付き合ってくれない? 君のことが好きなんだ。隣にいると落ち着くんだ」と真摯に思いを伝える。動揺する華に「生半可な気持ちで言ってないから。君の気持ち聞かせてほしい」とアキラは続けるのだった。

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