石丸幹二はなぜドラマの世界でも重用されるのか 『相棒season19』初回ゲストとして高まる期待
なぜ“ミュージカル界の貴公子”石丸幹二はドラマの世界でも重用されるのか。その理由のひとつが「手あかのついていないキャラクター」だ。
小劇場出身の俳優たちが醸す雰囲気とも一味違う空気感やさわやかさ。外部出演をする機会がほぼない劇団四季に40代前半まで在籍していたプレミア感。それに加え、さまざまな舞台で主役を演じたスター性と実力。まるで長い熟成期間を経て栓を空けられたワインのようである。
さらに、ドラマでは舞台で演じてきた貴公子キャラにこだわらず、むしろクセやアクの強い役に進んでトライしたことが吉と出て、50代中盤となった今も映像の現場で個性豊かなキャラクターを演じ続けている。
何度かインタビューさせてもらったこともあるが、ある時期より彼の口からよく出たのが「人間臭い役に惹かれる」というセンテンス。40代半ば頃から貴公子モードに加え、個性派俳優としても一歩駒を進めようとする決意があったと思われる。
そんな石丸幹二が『相棒』に初登場。今回は掴みどころがなく、笑顔の仮面を被りながら冷酷さを持った謎の人物・加西を演じる。加西がバーチャル技術を駆使し、どんな手を使って右京や冠城を翻弄するのか注目しつつ、大人気ドラマに爪痕を残すに違いない石丸の演技をしっかり見届けたい。
■上村由紀子
ドラマコラムニスト×演劇ライター。芸術系の大学を卒業後、FMラジオDJ、リポーター、TVナレーター等を経てライターに。TBS『マツコの知らない世界』(劇場の世界案内人)、『アカデミーナイトG』、テレビ東京『よじごじDays』、TBSラジオ『サキドリ!感激シアター』(舞台コメンテーター)等、メディア出演も多数。雑誌、Web媒体で俳優、クリエイターへのインタビュー取材を担当しながら、文春オンライン、産経デジタル等でエンタメ考察のコラムを連載中。ハワイ、沖縄、博多大吉が好き。Twitter:@makigami_p
■放送情報
『相棒season19』
テレビ朝日系にて、10月14日(水)スタート 毎週水曜21:00~21:54放送 (2クール)
※初回は21:00~22:24放送
出演:水谷豊、反町隆史、森口瑤子、川原和久、山中崇史、山西惇、浅利陽介、芦名星、神保悟志、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二ほか
ゲスト:石丸幹二、篠原ゆき子、日南響子、大石吾朗ほか
エグゼクティブプロデューサー:桑田潔(テレビ朝日)
チーフプロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)
プロデューサー:高野渉(テレビ朝日)、西平敦郎(東映)、土田真通(東映)
脚本:輿水泰弘ほか
監督:橋本一ほか
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日/東映
(c)テレビ朝日