浜辺美波は“逆境”に立ち向かう役がよく似合う 『タリオ』はターニングポイントに?

浜辺美波、『タリオ』はターニングポイントに?

 生まれ持っての華やかさ、少女漫画から飛び出してきたかのような圧倒的美少女感というだけで現実離れした存在ながら、そこにこの「肝っ玉」まで据わっている彼女だからこそ、『わたどう』にせよ、本作にせよ少し突拍子もない設定をも超越して現実のものとして魅せてくれるのだ。

 そして、確たる芯があるからこそ、「個」として立っているからこそ、彼女が演じるラブストーリーというのは、全身全霊を相手に委ね切るようなものではない。『キミスイ』でも病気のことや迫りくる死への恐怖を抱えながら、本当の弱い部分や自分の手の内の全てを相手には見せ切ってしまわないし、『わたどう』でも常に葛藤を抱えながら「自分」を保った状態で椿(横浜流星)と対峙していた。


 本作でも、真実を暴く弁護士と、人を欺く詐欺師という両極にいる相手と、互いの信じる「正義」に則って手を取り合う。互いの信念やテリトリーは保った状態で、徐々に影響し合い互いを侵食し合う様子を存分に堪能させてもらいたい。

 本作が彼女にとって、美人主演女優が“クセの強い”不思議キャラをコミカルさも織り交ぜながら体当たりで演じ、正反対なところにいる相手と凸凹タッグを組み事件解決なり復讐なりを遂げていくという点で、戸田恵梨香にとっての『SPEC』シリーズ(TBS系)、仲間由紀恵にとっての『トリック』シリーズ(テレビ朝日系)のようなターニングポイント的な位置づけになりそうな予感が今からしている。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
ドラマ10『タリオ 復讐代行の2人』(全7回)
NHK総合、BS4Kにて毎週金曜22時
出演:浜辺美波、岡田将生ほか
制作統括:川田尚広、高橋練、岡本幸江
演出:木村ひさし、山本透
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/78YR8PJXJ5/

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