さらなる活躍へのきっかけにも? 伊藤沙莉、上白石萌音ら、アニメ作品で好演する俳優たち

伊藤沙莉ら、アニメ作品で好演する俳優たち

神木隆之介、風間俊介、高橋一生……アニメでも存在感を発揮

 今やアニメ映画には欠かせない存在となっているのが、神木隆之介だ。天才子役として役者人生をスタートさせ、多くのドラマや映画に出演する一方で、多くのアニメ映画に出演して声優としても天才ぶりを発揮している。2001年『千と千尋の神隠し』の坊を皮切りに、2004年に『ハウルの動く城』のマルクル、2009年『サマーウォーズ』の小磯健二役で主演を務め、2010年に映画『借りぐらしのエリエッティ』では病弱な少年・翔を演じ、そして2016年『君の名は。』で、主人公の立花瀧を演じた。デビュー25周年を迎えて演技にも脂が乗る神木が、次はどんな作品に登場するのか注目が集まっている。

 アニメの声優にチャレンジして存在感を発揮した俳優は、これまでにも数多い。ジャニーズ事務所きっての演技派・風間俊介は、テレビアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(テレビ東京系)の主人公・武藤遊戯役を務めたことで知られる。2000年から10年近くに渡って放送されたシリーズで、子どもにも分かりやすく聞き取りやすい声の演技が、同作のロングヒットを支えたと言える。

 また、落ち着いた低音ボイスで知られる高橋一生も、アニメでも存在感を発揮している。1995年のジブリ映画『耳をすませば』で、主人公・月島雫の思い人である天沢聖司役を務めたことで、一躍注目を集めた。昨年から放送されているNHK BS4K『ムーミン谷のなかまたち』では、流浪の詩人=スナフキン役がハマリ役で、同作品で第14回声優アワードキッズ・ファミリー賞を受賞した。

 2002年のジブリ映画『猫の恩返し』で、猫の国の王子・ルーン役を演じた山田孝之は、2017年の映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』や、昨年公開の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』など多くの作品に出演。Netflixオリジナルアニメ『リラックマとカオルさん』では、イケメン配達員を演じている。ドラマ『闇金ウシジマくん』シリーズやNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』など、多彩な役柄を演じ分ける高い演技力は、声の世界でも重
宝されている。

 ほかにも、昨年公開されたアニメ映画『プロメア』で、主人公・ガロを演じた松山ケンイチが高評価を得た。同作には社会現象を巻き起こしたTBSドラマ『半沢直樹』で今をときめく堺雅人や、古田新太など個性派が多数出演している。

 確かな演技力があり同時に魅力的な声も持った、実写とアニメを行き来できる役者は決して多くはない。それだけに今後は、どんな役者がアニメの世界で活躍するか楽しみだ。誰がどんな作品でどんな役を演じているか、探しながら観るのも面白いだろう。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

■公開情報
『小さなバイキング ビッケ』
10月2日(金)公開
監督:エリック・カズ
アニメーター:ティモ・ベルク
出演:伊藤沙莉(ビッケ)
配給:イオンエンターテイメント、AMGエンタテインメント
2019/ドイツ、フランス、ベルギー/77分/英題:Vic the Viking and the Magic Sword
(c)2019 Studio 100 Animation – Studio 100 Media GmbH – Belvision
公式サイト:vic-movie.com

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