伊藤沙莉、福田麻由子が“女子会あるある”を繰り広げる 『蒲田前奏曲』で自分を見つめ直す

『蒲田前奏曲』が描く、社会への皮肉

   そして長編デビュー作『月極オトコトモダチ』がMOOSIC LAB 2018 長編グランプリを受賞を果たした穐山茉由監督による、第2番「呑川ラプソディ」。本編は、マチ子が大学時代の友人5人と久々に女子会をするが、独身チームと既婚チームに分かれ、気まずい雰囲気に。そこでマチ子は蒲田温泉へ行くことを提案し、5人は仕事、男性のことなどを話し合い、次第に隠していたものが丸裸になっていくという物語。本作で、伊藤沙莉と福田麻由子が同級生役で『女王の教室』(日本テレビ系)以来の共演を果たしました。

 主婦や独身、結婚間近……とかつては学校という同じ場所、似た環境、状況下にいた面々だからこそ、今はそれぞれ己の道を歩んでいる5人により際立って感じるズレ。理解できずに戸惑う多種多様な“価値観”、時代、社会によって変わる“普通”。5人の中の、自分は誰に近いだろうか?と考えながらつい観てしまいます。そして自分だったら、相手をどう受け入れていくか、考えるきっかけをくれる作品です。

 中川監督は「大過去」、穐山監督は「現在」、安川監督は「過去、トラウマ」、渡辺監督は「未来」と、それぞれの作品にサブテーマが存在します。女性を取り巻く社会を映し、同じ題材、舞台、主人公をもとに、違った物語で紡がれる本作は、改めて自分を見つめ直すきっかけになるはずです。

■公開情報
『蒲田前奏曲』
ヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森にて公開中
10月16日(金)より、テアトル梅田で公開、ほか全国順次公開予定
出演:伊藤沙莉、瀧内公美、福田麻由子、古川琴音、松林うらら、近藤芳正、須藤蓮、大西信満、和田光沙、吉村界人、川添野愛、山本剛史、二ノ宮隆太郎、葉月あさひ、久次璃子、渡辺紘文 
監督 ・脚本:中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文
配給:和エンタテインメント、MOTION GALLRY STUDIO
企画:うらら企画
製作:「蒲田前奏曲」フィルムパートナーズ(和エンタテインメント ENBUゼミナール MOTION GALLRY STUDIO TBSグロウディア)
特別協賛:ブロードマインド株式会社 日本工学院
2020年/日本/日本語/117分/カラー&モノクロ/Stereo
(c)2020 Kamata Prelude Film Partners

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