『私たちはどうかしている』で高杉真宙が見せる“2つの顔” さらなる伏線も明らかに

『わたどう』高杉真宙が見せる2つの顔

 椿の予言通り、「しまやのわらび餅」を見事完成させた七桜。そして、案の定、女将・今日子(観月ありさ)の手によって出品予定のわらび餅がダメになったかと思いきや。今回は椿と七桜の作戦勝ち。光月庵のお馴染み最中生地の中にわらび餅を詰めた画期的な逸品は、瞬く間に売れて、来場者投票でも1位の座が確実となった。その商品に迷うことなく、「しまや」と名付けた椿の粋さに、思わず涙を浮かべた城島の表情が印象的だった。

 これまで無邪気なムードメーカーとしての顔しか見せてこなかった城島、前話で最後に覗かせた裏の顔、そして第4話ではそれらが独立して存在しているのではなく地続きにあり、どちらも本当の彼の姿だと、表の顔(父親が生きていた頃の彼)と裏の顔(父親が亡くなり椿を恨むようになってからの彼)を上手く役の中に共存させ投影させられている。

 実家の話をする際にも所々嘘はつくものの、彼のしまやに対する想いや、両親を想う気持ちに嘘偽りがないのが伝わってくる。ふざけているようで時折見せる真剣な眼差し、無邪気に見えて実は大人でクールなど、悲しい出来事がきっかけで歪んでしまった、家族想いがゆえの、純粋であるがための復讐心が見える、悪者にはなりきれない切なくて痛ましい役どころでもあった。

 回を重ねるごとに、七桜のひたむきさ、打たれ強さがより浮き彫りになり、城島含め厨房の職人の間でも彼女の味方が確実に増えていく。しかし一難去ってはまた一難。七桜の体調に異変があり妊娠の可能性も浮上。今日子は、七桜の母親を名乗る夕子(須藤理彩)の正体に近づいてしまったようだ。

 かねてから大旦那の宗寿郎(佐野史郎)がうなされながらも懇願する「あの子を探し出してくれ」の「あの子」はおそらくかつてのさくらのことなのではないだろうか。盛り沢山の伏線を残していった第4話、次は七桜と椿にどんな試練が待ち受けているのか。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『私たちはどうかしている』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:浜辺美波、横浜流星、高杉真宙、岸井ゆきの、和田聰宏、岡部たかし、前原滉、草野大成、山崎育三郎、須藤理彩、中村ゆり、鈴木伸之、佐野史郎、観月ありさ
原作:安藤なつみ『私たちはどうかしている』(講談社『BE・LOVE』連載)
脚本:衛藤凛
演出:小室直子、猪股隆一
音楽:出羽良彰
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:www.ntv.co.jp/watadou
公式Twitter:@watadou_ntv
公式Instagram:@watadou_ntv

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