横浜流星の冷ややかな目線に隠されたもの 『わたどう』観月ありさの強烈キャラも話題に
浜辺美波と横浜流星のW主演、漫画からそのまま飛び出してきたかのような見目麗しい2人の姿が初回放送から話題をさらっている『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)。また、ラストには籠の中の蝶を愛でながら、なにか企む表情を浮かべ「かごめかごめ」を歌う不気味な姿に不吉な予感を漂わせていた椿(横浜流星)の母親の今日子(観月ありさ)。
第2話では、この予感は見事的中し、女将が早くも七桜(浜辺美波)を追い出そうと激しい嫌がらせを開始。「疫病神!」と叫びながら水をぶっかけたり、菓子作り道具を池に捨てたり、最年長の職人に取り入って七桜に厨房を使わせないようにするなど、その嫌がらせ度合いはかつての『おしん』(NHK総合)級、昼ドラの比じゃない。
女将の暗躍の裏に、光月庵に隠されたお家事情も徐々に明らかになる。どうやら、大旦那の宗寿郎(佐野史郎)は椿のことを女将の不貞で出来た子で、血縁関係のない孫だと思っているらしい。
「血の繋がりに何の意味がある。大切なのは和菓子に対する情熱、意志だ」とやり場のない思いをこぼす椿。椿にもここ光月庵には今は亡き父との和菓子を介しての忘れられない思い出があり、何としてでもこの店を自分のものにしてその大切な思い出ごと守りたいと考えている。それは皮肉にもそっくりそのまま七桜の境遇とも重なる。憎いはずの椿に対して、七桜は自分と同じ傷を見たのだろう。
互いを自分の目的遂行のために一時的に利用し合う“踏み台”的な意味合いでの「共犯者」だと認識していた2人の関係が、お互いにとっての大切な思い出、居場所を守るために手を組む戦友、同士に変わり始める。椿にとっても、想定外に七桜の存在が大きくなる。女将は椿にこの店を継がせることしか頭になく、大旦那のご機嫌を取ろうと椿に対する罵声にも実の母親ながら何も言い返せない。そんな中、七桜だけが真っ向から大旦那に対して椿の光月庵や和菓子への情熱を口にする。世間的には「跡取り」だとされながらも、大旦那からは「本当の孫でないお前にこの店は継がせない」と言い放たれ、職人にも「何の権限もない」と見くびられ、家族と言っても自分の本心を打ち明けられる相手などいない椿の寄る辺なさ。