『竜の道』切なすぎる兄妹の邂逅 回を追うごとに存在感が強くなる松本穂香がキーパーソンに?

『竜の道』切なすぎる兄妹の邂逅

 第1話で感動的だったと話題になっていた『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系)の花火のシーン。花火を見ながら思わず涙する竜一(玉木宏)に、偶然通りかかった血の繋がらない美佐(松本穂香)が声を掛け、しばしの間一緒に花火観賞をする。このシーンについて玉木も「3人で過ごした日々を思い出しながら『もう戻れないんだ』という悲しさがあった。復讐を遂げるために完璧であろうとする竜一の、完璧ではない人間らしさが垣間見える瞬間だった」とコメントを寄せていた。

 このときに出会っていたのが実は自分の妹だったと竜一が気づくのに、そう時間はかからなかった。

 第2話、竜二(高橋一生)と美佐との待ち合わせ場所に竜一がたまたま居合わせ、それぞれ「竜二のビジネスパートナー」「竜二の妹」として紹介される。本来3人一緒の兄妹だったはずが、こうやって竜二を介してでしか繋がれない兄妹の関係がもどかしく何とも切ない。

 「兄弟なのに他人の振りして、俺たちなんでこんなことしてんだよ。父さんと母さんの仇をとるためだろ。竜一のしたことは俺も背負う。俺たち家族だろ」と自分に訴えかけていた竜二が、ここでは自分のことを他人として紹介。美佐と2人で談笑している姿を目の当たりに、自らが望んだ筋書き通りのはずなのにより疎外感を強める竜一。また一方で、「これで良かったんだ」と納得しようとする竜一の気持ちの揺れが終始見られる回となった。

 竜二や美佐に近くほどに、現在の自分・和田猛になるときに犯した殺人、そのときに血塗れの手で掴んだ大金が脳裏をかすめるようになる竜一。美佐のことを大切に思っているからこそ、汚れてしまった自分とは関わりを持たずに幸せに過ごしていて欲しいと願い距離をとり続けていたのが、運命のいたずらとはこうも残酷なものか。

 また、どんなに顔や声、名前も変えても、例え血が繋がっていなくとも、例えもうこの世にいないとされていても、片時も忘れたことのない相手が目の前に現れると、誤魔化しきれない何か感じ入ってしまうものがあるのだ。

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