上白石萌音×佐藤健『恋つづ』が生んだ愛情の連鎖 “たけもね“ファン永久保存版の特典映像を観て

『恋つづ』が生み出した愛情の連鎖

 『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)が、7月22日にBlu-ray&DVD-BOXとなって帰ってくる。

 原作は、小学館『プチコミック』で掲載されていた円城寺マキによる同名漫画。『恋つづ』は、新人ナースの佐倉七瀬(上白石萌音)と、ドSドクター・天堂浬(佐藤健)の恋模様を描いたラブストーリーであり、「魔王」の異名を持つ天堂に、無謀ながら想いを伝え奮闘する健気な「勇者」の七瀬……という一途な関係性から生まれる、ピュア過ぎる胸キュンシチュエーションに多くの視聴者が夢中になった。

 最終回(3月17日放送)では、平均視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、世帯視聴率・関東地区)を記録。動画配信サービス『Paravi(パラビ)』では、2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日の再生人数を集計)国内ドラマ部門・総合ランキングで1位を獲得したほど(国内ドラマ・バラエティは見逃し配信作品が対象)。

 そんな人気作のBlu-ray&DVD-BOXとなれば、制作側の気合も入った模様。本編映像に加えて、特典映像が約4時間47分とてんこ盛りだ。その中身は、まずParaviで配信されたオリジナルストーリー『まだまだ恋はつづくよどこまでも』全10話。

 本編で語り尽くせなかった周囲の恋愛相関図を深掘りしたり、最終回後の七瀬と天堂の様子も見られたり、ラストはキャスト総出演で“猫ダンス”を踊ってくれる。佐藤健&上白石萌音が「にゃんにゃん♪」する姿は、“たけもね”ファンなら永久保存版だ。

 また、新型コロナウイルスの影響により4月期の新ドラマ放送延期に伴って、オンエアされた『恋つづ』スペシャルダイジェストで、上白石、佐藤、そして毎熊克哉、ミキ(昴生&亜生)、渡邊圭祐がリモートで登場したWEB配信動画『#おうちで恋つづ』も収録。

 佐藤が「最近、犬を飼ったんです」と言って犬のぬいぐるみをヨシヨシしたと思ったら、上白石が「私もカエルを飼ったんです」と続ける。佐藤のキュートな犬のぬいぐるみに対して、上白石の出した木製のカエルが一瞬本物と見間違えてしまうほどリアルなのも笑いを誘った。そうしたリモートならではの私物公開もあり、さらに本編の胸キュンシーンを見ながら照れる2人の様子ありと、何重にも楽しめる。

 そして、「クランクアップ集」に「メイキングオフショット」さらには「ハプニング集」と題したNGシーンまで、余すことなく『恋つづ』を味わい尽くすことができる特典映像たち。それらを見ていると、なぜここまで『恋つづ』が多くの人に受け入れられたのかが、改めてわかったような気がした。

 それは、描かれたラブストーリーのみならず、そこに集まったキャストやスタッフの関係性が魅力的だったから。その発端は上白石の愛情だ。以前インタビューで「誰よりも長く現場にいさせてもらっているので、ちょっと眠くてもニコニコして現場にいたいなって思っていたんです」と語っていた(参照:上白石萌音、『恋つづ』で佐藤健と大切にした感覚 「表現者である前に、人として豊かでありたい」)。

 リモート映像でも上白石は、ゲスト出演をしたギリギリ『恋つづ』メンバーの亜生(ミキ)に積極的に話を振ったり、一緒にいたのが短時間だったとは思えないほど現場に馴染んでいたと笑顔で振り返る。こうした上白石の関わったすべての人たちに対する奥ゆかしい愛情が、メイキング映像から伝わってきた。

 人は誰かから愛をもらうことで、心に余裕を持つことができるものだ。そして、その余裕がなければ、きっと「キュン」も生まれない。ちょうど天堂が七瀬と出会って恋をすることができたように。きっとキャストもスタッフも、そして私たち視聴者も、上白石の愛に包まれたからこそ、たくさんの「キュン」をもらうことができたのではないだろうか。

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