ケイト・ブランシェットの“女が惚れる”佇まい 地上波初放送『オーシャンズ8』の楽しみ方

 そもそも「ニューヨーク×ファッション×セレブ」は女子の大好物の鉄板で、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『プラダを着た悪魔』などはその最たるものだが、本作もこの方程式を盛大に取り入れている。前述の2作品が方程式に「仕事×恋愛」と続くのに対して、本作に恋愛要素はないものの、また違った意味で女子の心を鷲掴みにしてくれる秘密兵器が存在する。パンツスーツ姿があまりにキマりすぎて、マニッシュなファッションもお手のもの、やることなすこと全てが最高にクールなルー様の存在だ。“女子校内の王子様”的ポジションの彼女の一挙手一投足にも注目だ。デビーとのやり取りも何だかドキッとしてしまうシーンが多々あり、2人とも正に“女が惚れる女”である。

 セレブにハイブランドジュエリー、ドレスともはや女子の憧れを全て詰め込んだかのような圧倒的世界観の中で、手に汗握りながらチームの型破りな作戦を見守ることになるのである。刺激が多すぎてスリリングさのあまりアドレナリン放出間違いなしである。

 ただ、もちろんオススメしたいのは女性だけでない。「そんな手があったのか!?」と意表を突いてくる盗みの手口、ピンチの脱却法は『オーシャンズ』シリーズのお決まりだが、これまでを上回る女性ならではの大胆で豪快な「どんでん返し」がしっかり用意されている。ストーリー展開は『オーシャンズ11』を踏襲しており、比較して楽しむことが出来るのもファンにはまたたまらないだろう。

 本作で新境地を開拓した1人がアン・ハサウェイ。圧倒的な美貌と茶目っ気を持ち合わせつつ、少々自虐的で小悪魔的な腹黒さも覗かせ、「影の主役」だ。また小高いドレッドヘアーを披露しファンを驚かせたリアーナは、自身のルーツであるバルバドス人を表現しようと、彼女がリスペクトするボブ・マーリーからインスパイアされ役作りに取り入れたと言う。ステージ上の彼女とは全く異なる装いも要チェック! また、普段はニットキャップ姿のナインボールがファッショニスタぶりを発揮するメットガラ当日のドレス姿も、その変身前後のギャップに驚かされる。

 そんな最高にクールでド派手な彼女たちが監視カメラによる死角なし、全世界にライブ中継される厳重なセキュリティー下にある「メットガラ」でどうやってお目当ての高級ジュエリーを盗み出すのか、小気味良いテンポの会話劇とともにスピード感たっぷりに堪能したい。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『オーシャンズ8』
日本テレビ系にて、7月10日(金)21:00〜22:54放送
※地上波初放送
監督:ゲイリー・ロス
製作:スティーブン・ソダーバーグ
出演:サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ミンディ・カリング、サラ・ポールソン、オークワフィナ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーター
(c)Warner Bros. Entertainment Inc.

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる