『オーシャンズ8』で描かれなかった“宝石とドレス”の秘密 カルティエに隠された悲しき恋物語
8月10日に公開された『オーシャンズ』シリーズの最新作『オーシャンズ8』はキャストと監督が一新され、前作よりもさらにスケールアップされた話題作です。前作のスティーヴン・ソダーバーグにかわり監督を務めたのは『ハンガー・ゲーム』(2012年)のゲイリー・ロス監督。そして、オーシャンズの新チームには、ダニー・オーシャンの妹役を演じる サンドラ・ブロックをはじめケイト・ブランシェットやリアーナなど豪華キャストが勢揃いしています。
今回のオーシャンズの強盗計画は、メットガラに出席する女優ダフネ(アン・ハサウェイ)が着用するカルティエのダイヤモンドネックレス「トゥーサン」を盗み出すこと。スリリングな物語はぜひ映画館で堪能してほしいのですが、本作を2倍も3倍も楽しむために、メットガラや「トゥーサン」についてお話したいと思います。
ファッションのアカデミー賞「メットガラ」が開催される理由とは?
「メットガラ」の“メット”は“メトロポリタン美術館”、“ガラ”は“お祭り”という意味。「パーティー オブ ザ・イヤー」とも呼ばれるこのパーティーの目的は、メトロポリタン美術館の服飾部門による資金集め。毎年5月の第1月曜日に、春の展覧会のオープニングパーティーとして開催されます。
『プラダを着た悪魔』(2006年)でメリル・ストリープが演じた鬼編集長のモデルとなった米VOGUE編集長のアナ・ウィンターのアシスタントが、メットガラ運営の采配を振るうシーンがありますが、アナ・ウィンターは運営の全責任者。そして、パーティーとともに開催され、その後数カ月続く企画展はメットの服飾部門のキュレーター、アンドリュー・ボルトンが責任者です(劇中、招待客をアナと一緒に出迎えているのがアンドリュー)。両者が力を合わせて得た寄付金は、メット服飾部門の運営費に組み込まれます。1999年から2015年までにアナが集めた資金は総額1億2,000万ドル超(約132億円/1ドル=110円換算)にものぼるのだとか!*1
それでは、メットガラのパーティーに出席するにはいくらかかるのでしょうか?
招待客オンリーのパーティー券
2016年のパーティーの席料は3万ドル(約330万円)で、テーブル席が27万5,000ドル(約3,000万円)もしたというメットガラ。(1ドル=110円計算)*1 それでも、600席あるパーティー券は毎年即時完売になるそうです。
ただし、パーティー券を買えば誰でも出席できるわけではなく、あくまで招待客オンリー。アナ・ウィンターが認めた各業界で一流の人物しか招待されません。劇中のメットガラにはたくさんのセレブが登場しますが、その1人にキム・カーダシアンの姿も。実は、アナはリアリティ番組のキャストが好きではなく、キムも2012年までは招待されていませんでした。しかし、カニエ・ウエストと結婚し、カニエが2013年のメットガラでライブをしたことを境にキムも招待されるようになったという噂です。*2