『悪の偶像』イ・スジン監督が明かす制作の裏側 チョン・ウヒの起用理由も明かす

『悪の偶像』イ・スジン監督インタビュー

「もともと映画監督になるつもりはなかった」

ーー監督ご自身は、本作が長編2作目ということですが、両作とも観終わった後に、ズシンと残るような社会派な作品を撮られている印象です。映画を撮る原体験はなんだったのでしょう?

イ・スジン:原体験みたいなものは全くないんです(笑)。もともと映画監督になるつもりもなく、初めて短編映画を撮ったときもそういった実感はありませんでした。私はもともと大学で写真を専攻していて、卒業する頃に「自分の人生で一本くらい映画を撮りたいな」と軽い気持ちで撮ったのが始まりでした。その作品が映画祭で上映されることになり、そこで初めて映画祭にも行ったんです。写真は、ギャラリーに展示されるのですが、フィードバックがないんですよ。自分の作品をどう受け取ってもらえたのか聞く機会がないんです。しかし、映画の場合、自ら観客の人がいろんな反応を聞かせてくれて、私にとってはそれがまさに新世界に踏み込んだ感覚でした。ということで、私自身は映画をかなり遅く、一生の覚悟もないままスタートしました。一本撮り終える度に「もう一本撮ってみようかな」という気持ちの繰り返しでここまで来たんです。

ーーここまでの作品は、監督ご自身撮りたい作品のごく一部ということですね。

イ・スジン:もちろんです。まだまだ全然違う作品も撮りたいと思っています。次もおそらく人に関する物語を撮ることになると思いますが、できれば『ハン・ゴンジュ』や『悪の偶像』よりは明るい映画になるといいなと思っていますね(笑)。

■公開情報
『悪の偶像』
6月26日(金)シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:イ・スジン
出演:ハン・ソッキュ、ソル・ギョング、チョン・ウヒ、ユ・スンモク、ジョー・ビョンギュ、キム・ジェファ
配給:アルバトロス・フィルム
2019年/韓国/韓国語/144分/シネスコ/5.1ch/英題:Idol/日本語字幕:仲村渠和香子/映倫G
(c)2019 CJ CGV Co., Ltd., VILL LEE FILM, POLLUX BARUNSON INC PRODUCTION All Rights Reserved
公式サイト:akuno-guzo.com

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる