坂元裕二脚本ドラマスペシャル『スイッチ』の見どころは? 阿部サダヲと松たか子の“自然体”に注目

『スイッチ』は“自然体の演技”に注目

 また「会話劇」とも称される坂元脚本だが、企画立ち上げ時から配役は決まっていたようで、台詞は全て主演2人に向けて当て書きしたと言う。坂元は「何度かお2人は共演されてると思うんですが、割とシリアスなものが多かったと感じていたので、今回はコメデイタッチなものにしようと思っていました」と話し、「お2人に出ていただけるってことがわかった時はとても嬉しかったです。いつも僕が書いていいんだろうかと思うような、宝物のような2人なので、プレッシャーも感じるし光栄にも思うし、2人の魅力が損なわれないように一生懸命書かせていただきました」と、阿部と松への最大級のリスペクトを表した。「脚本執筆時には「(2人の)顔と声を想像しながら頭に浮かべて書いています。いつもはもうちょっと言い易いように気をつけるんですが、お2人だったら大丈夫だろうなと思って。法律用語や事件関連の用語も多く、辛かったかなと思ったんですけど」と、信頼ゆえの無茶振りがあったことを明かしていた。

 会話以外にも主演の2人の自然体な演技が興味深かったシーンを月川監督が紹介。「10分くらいの長いワンシーンで、本番中に阿部さんがアイスペールの氷を松さんのグラスに入れようとして上手くいかないというちょっとしたハプニングみたいなことがあって。カットかけようか迷ったんですけど、この2人だったらどう乗り切るか見ていたら、確かにこの2人のキャラクターだったらこうするだろうなという説得力のある動きで乗り切ってくれて。さりげない動作なんで普通に見ていたら自然に見落とすほどにやってのけてるんですけど、その自然さがすごいと思いました。」監督曰く「1回目は気にせず観ていただいて、2回目以降に注目していただければ」とのことだ。

 また本作の見どころに、脇を固める豪華俳優陣が挙げられる。主演の2人の恋人役を中村アン、眞島秀和が演じる。また、主演の2人と同じ舞台『逆鱗』に出演、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』や、今春FODで配信された『東京ラブストーリー』でのリカ役で注目を集める石橋静河、NHK連続テレビ小説『まんぷく』で当時26歳ながら14歳の役どころに臨み、映画『愛がなんだ』が話題作となった岸井ゆきのら若手実力派女優が、本作ではキーマンを演じるようだ。

 互いを相性100%だと自負し合う阿部と松の、コミカル作品という新たな境地。そんな主演2人による、坂元作品名物のリアルで生々しい会話の応酬が見ものである。大人の不器用なラブストーリーとサスペンス要素が見事映像化されたという本作、必見だ。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
ドラマスペシャル『スイッチ』
テレビ朝日系にて、6月21日(日)21:00~放送予定
出演:阿部サダヲ、松たか子、眞島秀和、中村アン、石橋静河、岸井ゆきの、井之脇海、迫田孝也、篠原悠伸、原日出子、岡部たかし、嶋田久作、尾美としのり、高畑淳子
脚本:坂元裕二
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、浅井千瑞(MMJ)
監督:月川翔
制作:テレビ朝日、MMJ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/switch/
公式Twitter:https://twitter.com/switch__0621

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