ヴァリアント・コミックスはマーベル、DCに続くか? 『ブラッドショット』映画化の経緯を辿る

ヴァリアントはマーベル、DCに続くか?

 一方、パラマウントは『トランスフォーマー』『G.I.ジョー』『スター・トレック』といった人気シリーズを抱えていますが、これらはアメコミ原作ではないので、アメコミベースのコンテンツが欲しかったのでしょうか? 今のところ、パラマウントが『ハービンジャ―』以外のヴァリアント・コミックスのヒーローの映画権を入手したとの情報はないのですが、この先その可能性は大いにあります。

 となると、

・マーベルのヒーローものはディズニー(スパイダーマン系映画のみソニー・ピクチャーズ)
・DCのヒーローものはワーナー(そもそもワーナーはDCの親会社)
・ヴァリアントのヒーロー物はパラマウント

 という風になっていく?

 ただ現時点で、まだパラマウントは『ハービンジャ―』の映画を作っていないわけですから、まずはそこからお手並み拝見でしょうか?

 もちろんパラマウントがヴァリアント・シネマティック・ユニバースを構築しても、しばらくはそこにはブラッドショットはいないわけです。今のところ『ブラッドショット』のみソニー・ピクチャーズの作品だから。けれどヴァリアント・コミックにはまだまだ沢山の魅力的なヒーローがいるので、『ブラッドショット』抜きでもヴァリアント・シネマティック・ユニバースを作ることは可能です。

 そもそもMCUも「『スパイダーマン』はソニー・ピクチャーズ、『X-MEN』は20世紀フォックスに映画権を渡していた」けれど、彼ら抜きで立ち上げてここまでの大成功に導いたわけですから。ヴァリアント・シネマティック・ユニバースの誕生に期待したいですね。

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■公開情報
『ブラッドショット』
全国公開中
監督:デヴィッド・S・F・ウィルソン
脚本:ジェフ・ワドロウ、 エリック・ハイセラー
出演:ヴィン・ディーゼル、エイサ・ゴンサレス、サム・ヒューアン、トビー・ケベル、ガイ・ピアース
原題:Bloodshot
配給:イオンエンターテイメント
(c)2020 Columbia Pictures Industries, Inc., Bona Film Investment Company(Pacific Rim, USA)and Cross Creek Bloodshot Holdings, LLC. All Rights Reserved.

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