亀梨和也が孤立を辿る 『野ブタ。をプロデュース』作品テーマを凝縮した回に

 さらに、修二を信じるか蒼井(柊瑠美)を信じるかで悩む信子に対して佐田(夏木マリ)が語る「本当だから信じるんじゃなく信じるから本当になる。信じたい方を選べばいい」という言葉。修二を抱き寄せる信子の写真を「見なかったことにしたい」と言う彰に一平(高橋克実)が提案する糠床に入れて封印するというアイデア。そして修二が胸に刻むデルフィーヌ(忌野清志郎)の「生きていれば最悪な日もある。されど最高な日もある」という言葉。それぞれのキャラクターにそれぞれ教えを与えてくれる人物がいることと、絶対的に信じ合える仲間がいること。バッドエンドだった原作を少しでも救いのあるものへと変化させるというねらいによって、青春ドラマというジャンルが本来持ちうるオールドファッションな魅力がより顕著に表れることになったといえよう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『野ブタ。をプロデュース』特別編
日本テレビ系にて放送
第9話:6月13日(土)22:00〜22:54
第10話:6月20日(土)22:00〜22:54
出演:亀梨和也、山下智久、堀北真希、戸田恵梨香ほか
脚本 : 木皿泉
原作 : 『野ブタ。をプロデュース』白岩玄(河出書房新社)
音楽 : 池頼広
チーフプロデューサー : 池田健司
プロデューサー : 河野英裕、能勢荘志
演出 : 岩本仁志、北川敬一、佐久間紀佳
制作協力 : トータルメディアコミュニケーション
制作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ

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