賀来賢人や中村倫也も活躍 『スーパーサラリーマン左江内氏』は“福田節”炸裂のゆるいコメディ

『左江内氏』は“福田節”炸裂のゆるコメ

 2017年に放送された連続ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)が特別編集編として5月9日から放送されている。本作は藤子・F・不二雄の漫画『中年スーパーマン左江内氏』(双葉社)を原作とし、監督は『今日から俺は!!』(日本テレビ系)を手がけた福田雄一が務める。気弱な中年男性・左江内英雄(堤真一)が、ある日突然謎の老人(笹野高史)からスーパーヒーローになることを言い渡され、人知れず人助けのために奔走するという物語の中で、堤は哀愁たっぷりに“さえない”サラリーマン役を演じた。共演には小泉今日子、賀来賢人、中村倫也、ムロツヨシ、島崎遥香、早見あかりなどが名を連ね、豪華キャストによる渾身のコメディが持ち味となる。

 前回の放送では、左江内がスーパーサラリーマンになるまでの経緯と、実際にスーパーヒーローとして活動する様子が描かれた。強気な嫁・円子(小泉今日子)に振り回されながら、街に降りかかる些細なトラブルを解決するべく奔走する姿がなんとも哀愁漂う。そんな中、左江内の娘・はね子(島崎遥香)は学校で立てこもり事件の人質にされてしまった。友人のサブロー(犬飼貴丈)らクラスメイトと監禁されるはね子だったが、そこに父の左江内が救出に訪れ、事態を丸く収める。左江内のスーパーヒーローとしての活動は、終了後にスーツから放たれる忘却光線によって左江内以外の人物の記憶から消される仕組みになっている。結果、犯人逮捕は何もしていない、警察の小池(ムロツヨシ)、刈野(中村倫也)のお手柄となり、これには2人も驚いた様子。他にも、左江内より早く出世しようと目論む意識の高いサラリーマン・池杉(賀来賢人)や謎のアルバイター・米倉(佐藤二朗)など個性豊かなキャラクターが活躍する。

 本作の見どころはなんと言っても“福田節”の炸裂したゆるいコメディだろう。福田組常連の佐藤二朗、賀来賢人、ムロツヨシなどが主演の堤を盛り上げるように伸び伸びと芝居をし、その中でベテランの堤や小泉が圧巻の芝居を見せる。特に堤は、スーパースーツを手に入れた後にかっこよく世界を救うかと思いきや、あくまでも“さえない”サラリーマンのままである。早くスーパーヒーローを辞めたくてブツブツ言っている様子や、無茶振りばかりの嫁の言いなりになって奔走する様子は、ちょっとお疲れ気味の中年男性といったところ。会社に遅刻しないためにスーパーマンスーツを利用して楽ばかりしてしまうお茶目さも、スーパーヒーローらしからぬだらしなさで程よい“ゆるさ”が表されている。

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