大貫勇輔、アニメ声優初挑戦は「2割の不安と8割の楽しみ」 『富豪刑事』宮野真守との共演を語る
フジテレビ“ノイタミナ”で4月9日より放送がスタートする『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』。筒井康隆によるミリオンセラー小説『富豪刑事』(新潮文庫刊)を、伊藤智彦監督をはじめ『僕だけがいない街』の主要スタッフがCloverWorksとともにアニメ化に挑む。
本作の主人公は、有り余る財力と最新のテクノロジーを駆使して様々な事件を半ば乱暴に解決していく神戸大助。演じるのは、アニメの声優は初挑戦という俳優の大貫勇輔だ。舞台をはじめ、昨年は『ルパンの娘』(フジテレビ系)や『グランメゾン東京』(TBS系)などドラマで大活躍、そして今回は声優に挑戦と、活動の幅を広げる大貫に、声の芝居への思いや、宮野真守との共演について聞いてみた。
役づくりでは「身体のあり方を研究する」
ーー役をいただいたときのお気持ちをお聞かせください。
大貫勇輔(以下、大貫):オーディションで決まったのですが、伊藤監督が「神戸大助という役に大貫くんの声が合うと思うからお願いしたい」と言ってくださって、本当に嬉しかったです。でも、「アニメの声優を僕がやっていいんですか?」という不安な気持ちもありました。初めてのことだらけだったので、2割の不安と8割の楽しみな感じでしたね。
ーー伊藤監督は大貫さんを選んだ決め手についてお話しされましたか?
大貫:全体のバランスが「僕が思う大助にすごく合う」とおっしゃってくださいました。あと、伊藤監督の『僕だけがいない街』も拝見したんです。僕はもともと原作漫画がすごく好きで、今回伊藤監督とご一緒することが決まったときに、とても嬉しかったです。しかも『僕だけがいない街』は、満島真之介さんと土屋太鳳さんが主役という座組みだったのもあり、俳優と声優の声の違いみたいなものも感じられて、伊藤監督が僕を選んでくれた理由の一つを感じられたような気もしました。
ーー声で演じるということに対して、映像や舞台とのギャップは感じますか?
大貫:ギャップはあまり感じませんでした。もちろんアニメーションに合わせるために、いろんな声優さんのテクニックがあると思うんですけど、本質は共通したお芝居だと思っています。台本を読み込んで、大助という人間が、この瞬間に何を感じていて、どんなことを思っているのかを考える。その過程で、自分が演じることが声に乗っていくという感覚はあるので、そこにギャップはありませんでした。
ーーなるほど。
大貫:僕はもともとダンサーということもあり、役作りの段階で、その役の身体のあり方を研究するんです。そうすると拠り所ができる。どんな仕草をするのか、どんな風に呼吸をするのか、どんな風に喋るのか、いろいろな考え方を構築していくと、自分の中でその役の人間性が見えてくるんです。例えば、息を吸うときに自然と胸が開きながら首が動いたりとか、そういう細かいことなんですけど。大助のポジションは、割とどっしりと構えているような感覚です。
ーーアフレコのときもそういった仕草を使ってスイッチを入れているのでしょうか?
大貫:今回は身体が動くことはあまりないですね。もし感情がすごく動く役だったら、身ぶりや手ぶりを入れながら大きく演じると思いますが、大助は意外と感情の起伏がない役なんです。だけど、丁寧に言葉を発したいときには、音の高低の取り方や厚みを、手を使ってイメージを探したりします。