『あな番』俳優、今年も大活躍! 田中圭、横浜流星らの激動の半年を振り返る

『あな番』俳優、今年も大活躍!

 他にも、201号室の妹尾あいり役でイメージを一新するギャルメイクを披露した大友花恋は10月期に放送された深夜ドラマ『新米姉妹のふたりごはん』(テレビ東京)でダブル主演。クールな感じでの登場から一転して、料理について語り出したときのキラキラした表情の変化は実に魅力的であった。また同じく201号室の柿沼遼役を演じた中尾暢樹は、映画『殺さない彼と死なない彼女』での演技が印象強く、『シロクロ』にもゲスト出演。401号室の木下あかね役だった山田真歩は10月期の月9『シャーロック』(フジテレビ系)で佐々木蔵之介の右腕として好演を見せた。

 さらに前述の金澤も出演していた日本テレビ系列の「シンドラ」枠『やめるときも、すこやかなるときも』でヒロインを演じていたのは、『あな番』でのサイコパス的キャラクター尾野幹葉役で日本中を震え上がらせた奈緒。同作では出世作となった『半分、青い。』(NHK系)と同様の従来のイメージを取り戻したとはいえ、やはり尾野役のイメージが根強く残ってしまっていることは否めない。今年2月に公開された『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』で(田中圭との共演シーンがなかったのが残念ではあるが)、彼女がヒロインの友人役として登場した瞬間に、ざわざわした気持ちになった観客も少なくないのではなかろうか。

 こうして並べて見てみると、特撮ヒーロー出身・子役出身・朝ドラ経験者・モデル経験者といった、近年のブレイク俳優の傾向にありながらも、なかなかそのタイミングに恵まれなかった俳優たちがこぞって『あな番』を契機に飛躍したことがわかる。たしかに今振り返ってみれば、放送前にはキャスティングを見てもなんだか地味なドラマになりそうな印象で、本当に半年持つのかと疑問に思った人も少なくないだろう。しかし、それから1年が経ったいま、“地味”だった出演キャストの多くが『あな番』という大きな看板を獲得し、一躍人気俳優の仲間入りを果たしたことは言うまでもない。それはもちろん、生瀬勝久や田中要次といった優れたベテランバイプレイヤーたちにとっても同様である。

 ここまでで名前を挙げた“住人”たち以外にも、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(テレビ東京系)を経て『あな番』に出演し、ミステリアスな印象を守り続けた小池亮介や、すでに子役時代から美少年として注目されてきた荒木飛羽。また刑事の神谷役で印象的な(クライマックスでの死に様もしかり)演技を見せた浅香航大、管理人の蓬田を演じた前原滉も、その顔と名前が知れ渡ったことで次なるブレイクを狙える逸材といえるだろう。そしてもちろん、内山役の大内田悠平もバイプレイヤーとして重宝されそうな雰囲気がただよっている。“あな番俳優”たちの活躍は、まだまだ続いていくことだろう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■リリース情報
『あなたの番です』
発売中
Blu-ray BOX:33,000円(税別)
DVD-BOX:28,000円(税別)
出演:原田知世、田中圭、西野七瀬、浅香航大、奈緒、山田真歩、三倉佳奈、大友花恋、金澤美穂、中尾暢樹、小池亮介、井阪郁巳、袴田吉彦、片桐仁、真飛聖、和田聰宏、野間口徹、林泰文、片岡礼子、皆川猿時、徳井優、田中要次、長野里美、阪田マサノブ、大方斐紗子、峯村リエ 、竹中直人、安藤政信、木村多江、生瀬勝久、横浜流星、田中哲司
企画・原案:秋元康
脚本:福原充則
演出:佐久間紀佳ほか
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力 :トータルメディアコミュニケーション
製作著作 :日本テレビ
販売元:バップ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/anaban/

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