今ハリウッドで最も稼いでる? 海外ドラマ製作に必須の職業“ショーランナー”を解説
ショーランナーごとの深掘りも一つの楽しみ
日本でも「三谷幸喜が脚本ならたぶん好きだから今度の大河ドラマは観てみよう!」と思う視聴者がいるように、欧米のドラマにおいても、先ほどのライアン・マーフィーのような“この人がショーランナーなら観る価値がありそう”と思える人気ショーランナーが数多く存在する。各ストリーミング大手は前述の通り、多くの人気ショーランナーを抱えている。そのため、視聴者としては膨大な「傑作」を抱えることになり、どの作品から観れば良いか迷うところでもある。1人の視聴者としては、面白い作品にできるだけ時間を割きたい。そのためオススメとしては、気になるショーランナーごとに深堀りすることは高確率で楽しめるアクションの一つだ。
例えば先日Netflixで配信開始された『コミ・カレ!!』という作品がある。本作品のショーランナーはダン・ハーモン。彼は今最も人気の高いショーランナーの一人で、世界的に人気のアニメシリーズ『リック・アンド・モーティ』を手がけている。『コミ・カレ!!』は、1話30分弱のコメディシリーズで、2009年~2015年の約6年放送され今でもアメリカでは高い人気を誇る。出演者を見れば、ジョエル・マクヘイル(Netflixで単独番組あり)、ジリアン・ジェイコブス(Netflix『ラブ』主演)、アリソン・ブリー(Netflix『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』主演)、ケン・チョン(『ハングオーバー!』シリーズ、Netflixでスタンダップコメディ配信中)、ドナルド・グローヴァー(歌手チャイルディッシュ・ガンビーノとしても活躍、日本ではNetflixで配信の『アトランタ』主演、監督、脚本)など今ではすっかりスターとなった面々ばかりである。しかも『コミ・カレ!!』は『アベンジャーズ/エンドゲーム』などを監督したルッソ兄弟が手がけたエピソードも多い。さらに小ネタを言えば、ルッソ兄弟は手がけたマーベル・シネマティック・ユニバースの作品内で『コミ・カレ!!』出演者をたびたび登場させてファンを楽しませている。かつて、あるショーランナーの元に集い、作品を育ててきた監督、俳優たちが羽ばたいていくという意味で、ショーランナーは後進育成のきっかけも作っているともいえる。
2020年、未曽有の事態に見舞われ、日々のニュースに滅入ってしまっている人も多いかもしれない。せっかくなら、気分転換も兼ね、今まで注目したことない角度からストリーミング作品を楽しむことも一興かもしれない。
■キャサリン
Netflix、Amazonプライムビデオ等のストリーミングサービスで最新作を追いかける海外テレビシリーズウォッチャー。webメディアなどで執筆。
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