『絶対零度』高杉真宙、事件の黒幕として狂気と涙の名演 シーズン5への期待も膨らむ最終回に

『絶対零度』最終回、高杉真宙の狂気と涙

 狂気的な表情で井沢を挑発していた篠田は、最初からミハンを法制化に導くために死ぬつもりでいた。篠田が犯罪者であること、嘘で塗り固められた男であったことに変わりはないが、一つだけ彼に芽生えていた思いがあった。それが、小田切(本田翼)への好意だ。篠田は諏訪に撃たれた後、小田切に電話で伝えたいことがあると言い残していた。彼は薄れゆく意識の中で、小田切への思いを手紙に綴っていた。「あなたへの思いに嘘はありません。あなたのことが好きでした」。篠田の本当の思いを知り、むせび泣く小田切。彼女の希望の言葉と笑顔は篠田に届いていたのだ。

 最終回はミハン再始動が決定し、南雲がミハンに前向きな意向を示しているというラストに。そして、『絶対零度』シーズン4は、「AFTER STORY」としてさらに続く。舞台は、未然犯罪防止法案が成立した1年後。井沢はリーダーとして活動しているが、依願退職をした小田切は所轄の会計課におり、山内がミハンに誘っているようだ。そして、事件ではミハンの真実を暴くことが目的の犯人が井沢に接触を図る。主演の沢村一樹は、リアルサウンド映画部のインタビューにて、「また次もと思いながらはやりたくないんです。完全燃焼するつもり」と答えていたが、「AFTER STORY」がその“完全燃焼”となってしまうのだろうか。シーズン4の決着とシーズン5への足がかりとなる物語であることを期待している。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:沢村一樹、横山裕、本田翼、森永悠希、高杉真宙、上杉柊平、マギー、粗品(霜降り明星)、水野美紀、柄本明ほか
脚本:浜田秀哉
企画:稲葉直人
プロデュース:永井麗子、関本純一
演出:石川淳一、品田俊介ほか
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/zettaireido/

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