『伝説のお母さん』なぜNHK「よるドラ」枠で放送? 企画の背景を制作統括に聞く

『伝説のお母さん』企画の背景に迫る

 そしてもう一つ、子どもがいる世代にとってドキリとさせられたのは、第3話で描かれた、ベラの息子に向けられた人々の目線だ。

 ワーキングマザーで仕事を頑張る母に代わり、家のこと・自分のことを何でも一人でこなす、自立した息子・ベル。その姿を見たメイは「可哀相」と言い、遊びに連れて行ってあげようと画策するが……。はたして「自立した子ども」は可哀想なのか。子どもは子どもらしくないと、いけないのか。

「メイもまた発展途上で、言い分は正しいけど、ベルが本当に可哀想なのかはわからないし、そもそも可哀想じゃ駄目なんだっけ、という疑問もあります。それを不幸と思うかどうかは子ども次第のところもあるし、親の責任逃れのところだってあるし。何が正解なのかはわからないというところまで描いているんですよね」

 コメディで、ファンタジーで、RPGでありつつ、子どもを持っている人もいない人も、人生の根源的なテーマと向き合いながら考えさせられる本作。笑いながら深く考えて観てみたい。

■放送情報
よるドラ『伝説のお母さん』
NHK総合にて、毎週土曜23:30〜23:59
出演:前田敦子、玉置玲央、井之脇海、MEGUMI、片山友希、前原瑞樹、大東駿介、大倉孝二ほか
原作:かねもと『伝説のお母さん』
脚本:玉田真也、大池容子
制作統括:松川博敬、篠原圭
プロデューサー:上田明子
演出:村橋直樹、佃尚能、二見大輔
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/densetsu/

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