『知らなくていいコト』で“いまどき女子”を好演 期待の若手女優・関水渚の武器は瞬発力?

 まだ出演作が少ないため、役柄の幅という意味ではガラリと違うキャラクターを演じているわけではないが、感情の幅という意味では、デビュー作でかなりみっちりと石井監督から“振り切ること”の指導を受けたおかげで、瞬時にスイッチを入るさまは小気味が良い。

 『知らなくていいコト』でも、これまでは野中を翻弄するだけで、編集部内での行動範囲は狭かったが、第7話でケイトが襲撃された場面を動画で撮影し、雑誌に貢献できたことで一気にほかの部署の人たちとの交流が広がった。仕事に対してどこか冷めた目で見ているような感じだった愛花だったが、この出来事をきっかけに、生き生きとした表情にガラリと変わった。現時点で、この瞬発力は関水の大きな武器になっているように感じられる。

『カイジ ファイナルゲーム』(c)福本伸行 講談社/2020映画「カイジ ファイナルゲーム」製作委員会

 『町田くんの世界』でも『カイジ ファイナルゲーム』でも、関水は“振り切った芝居”を意識したと語っていたが、今後、編集部内で取り残されたと感じ暴走する野中に対して、愛花がどんな対応をするのか大いに注目が集まる。

 「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」のファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入りした関水。先日行われたブルーリボン賞の受賞式では「一生女優を続けられたら」と話していたが、ゴールデンウィークには、長澤まさみが主演を務め人気を博している映画『コンフィデンスマンJP』の最新作「プリンセス編」で、ダー子の「子猫」チームに新加入する少女・コックリ役として出演するなど、さらなる活躍が望まれる期待の若手女優だ。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

■放送情報
水曜ドラマ『知らなくていいコト』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、重岡大毅(ジャニーズWEST)、秋吉久美子、佐々木蔵之介、小林薫、本多力、小林きな子、和田聰宏、山内圭哉、関水渚、森田甘路、今井隆文ほか
脚本:大石静
演出:狩山俊輔、塚本連平ほか
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:小田玲奈、久保田充、大塚英治(ケイファクトリー)
(c)日本テレビ

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