岩田剛典、『AI崩壊』で役者としての存在感を発揮! 笑顔を封印した冷徹キャラで光る資質

岩田剛典、『AI崩壊』で持ち味発揮

 結局、桜庭はこの物語の最後の最後まで、考えは一貫していて、変化することはない。ただ、その変わらなさに、見ているこちらは怖さを感じたし、しかもそこには、彼には彼なりの理があるのだろうなと思えてしまった。

 その彼なりの理を生んだのも、頭がよく、常に最適解を求めて生きてきた彼が、AIとどう共存していくのか、社会をどう動かしていくかを、かなり上からの目線で考えた結果なのだろうと思わされた。桜庭のような考えに至る人は現実社会に確かに存在しているし、彼のようなことを声高に語る人はこれからも出てくるだろう。そういう存在を岩田剛典が演じ切っていたからこそ、いろいろ気づくところが大きかったと思う。

 桜庭が登場するラストのカット、伏し目がちだった桜庭が、こちら側を見つめ、問いかけをするシーンは、映画の中だけにとどまる話ではなく、観ている観客にも問いかけるようなまっすぐさがあり、この映画の中で、もっとも忘れられないシーンになっていた。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■公開情報
『AI崩壊』
全国公開中
出演:大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、高嶋政宏、芦名星、玉城ティナ、余 貴美子、松嶋菜々子、三浦友和
監督・脚本:入江悠
企画・プロデュース:北島直明
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/ai-houkai/

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