藤ヶ谷太輔×奈緒『やめるときも、すこやかなるときも』、“痛み”を背負う男女の恋の行方

シンドラ11作目での新たな挑戦

 1月20日より、シンドラ『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ系)がスタートした。本作は、Kis-My-Ft2のメンバーでセクシーな魅力を放つ藤ヶ谷太輔と『あなたの番です』(日本テレビ系)で話題を呼んだ奈緒が共演する正統派ラブストーリー。本作で通算11本目となるシンドラは、前作までのイメージを刷新し、訳あり男女のピュアなラブストーリーを描く。

 これまで、シンドラ枠はジャニーズ事務所所属の若手を主役にしてきた。デビュー組・ジュニア問わず出演しており、シンドラ枠がドラマ初出演というメンバーも存在する。多くは複数の若手ジャニーズが芝居で掛け合いを見せる“わちゃわちゃ感”が魅力でもあり、視聴者は演者同士の掛け合いを楽しみにしていた。そんな中、『やめるときも、すこやかなるときも』は今までのシンドラとは打って変わってラブストーリーを扱い、しっとりと“魅せる”作品になっている。A.B.C-Zの五関晃一も、主人公行きつけの小料理屋の店主として出演しており、今までのシンドラでジャニーズが見せてきた魅力とは違った角度から藤ヶ谷をサポートする。

 藤ヶ谷が演じる須藤は、過去の出来事をきっかけに、ある時期になると声が出なくなるという精神的な病を抱えており、一人で家具工房を経営するどこか影のある青年だ。孤独感から女性と行きずりの関係を結ぶことが多い須藤を、藤ヶ谷はドライに、しかし色香たっぷりに演じる。心に秘めた苦しみをじわじわと受け止める芝居は、感情を爆発させるよりも難しい。さらに声が出せないシーンもあり、表情や仕草での芝居の繊細さが要求される。藤ヶ谷はそんな須藤を真摯に演じ、女性関係にルーズでありながらだらしなさを感じない“須藤”らしさをしっかり確立していた。一方で、奈緒の演じる桜子もまた、酒に溺れている父親から暴力を受けていたり複雑な背景がある。二人はこうしたバックボーンの複雑さで自然と惹かれ合うのであった。須藤と桜子の心の交流は、穏やかながらも張り詰める何かがあり、その緊張感は作品を引き締めより魅力的にする。今後、須藤の抱える気難しさがどのようにほぐれていくのか、注目していきたい。予告では既に桜子の家を訪ねる須藤の姿も描かれている。二人が育む恋の行方はいかに。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる