加藤シゲアキの“冷静な”金田一耕助は定着なるか 『悪魔の手毬唄』先輩・古谷一行とのバディにも注目!

 今年も名作が放送される季節がやってきた。12月21日にNEWS・加藤シゲアキ主演の『悪魔の手毬唄〜金田一耕助、ふたたび〜』(フジテレビ系)が放送されるのだ。加藤が金田一耕助を演じるのは、2018年放送の『犬神家の一族』(フジテレビ系)以来、今作で2度目。昨年は“平成最後の金田一耕助”として迫真の演技を見せ、金田一耕助像を刷新したように感じる。その時の世帯平均視聴率は11%。この高視聴率を打ち出したスタッフが今作も再集結しており、注目が集まっているのだ。

 1947年に片岡千恵蔵が演じたのを皮切りに、これまで金田一耕助を演じた俳優は錚々たる顔ぶれだ。高倉健、石坂健二、渥美清、西田敏行、古谷一行、三船敏郎、役所広司、豊川悦司……。2000年代では長谷川博己、池松壮亮、吉岡秀隆など実力者として活躍しているメンツも多い(詳しくは公式HPを参照していただきたい)。中でも度々話題に挙がるのは、加藤が演じた『犬神家の一族』などで、最も多くの金田一耕助を演じている古谷一行だ。古谷版金田一は、ドラマファンや識者からも絶賛の嵐。名探偵でありながらもどこか頼りなさそうな雰囲気や、掴みどころのない飄々さたるや、流石としか言いようがない。そして、古谷以外の金田一もそれぞれの確固たる演技力が余すところなく発揮されてきた。

 そして、2018年の加藤へのバトンタッチである。加藤の起用理由を金城綾香プロデューサーは「金田一耕助は、(中略)相反する特色を同時に持っており、一言でいうと不思議な魅力のある人物です。(中略)加藤シゲアキさんは、アイドルグループNEWSのメンバーであり、そして俳優業、執筆業でも大変ご活躍されています。その時々で、違った表情を見せてくださる加藤さんに、平成最後の金田一耕助を演じていただきたいと思い、オファーさせていただきました」と語る。加藤本人も放送前に「どのように金田一耕助を演じたら楽しんでもらえるか、まさに金田一耕助のように“ぽりぽり”と頭を掻きながら模索しています。過去の作品群に敬意を払いつつ、加藤シゲアキならではの金田一耕助を演じたいと思います」(いずれも引用元:https://www.fujitv.co.jp/inugamike/introduction.html)とコメント。その言葉の通り、加藤ならではのクールで落ち着きのある金田一耕助を演じてみせた。

 歴代の金田一に比べて吃りやそわそわした素振りがなく、表情にも力が入っている場面が少なくない。クライマックスである推理をするシーンもそうだ。淡々と、そして理路整然と謎解きをし、真犯人を諭すという、オリジナリティある金田一が出来上がっていた。オリジナルファンからは物足りないという声もあったが、加藤が頭を掻きながら模索した金田一像も好評だったのは言うまでもない。そして今作も「まるで昨日のことのように昨年の撮影が思い出され、自分でも驚くほどすんなりと金田一耕助に入り込むことができました」(引用元:https://www.fujitv.co.jp/kindaichi_returns/introduction.html)とコメントしている加藤。12月21日夜9時15分、再びこの加藤版金田一が現れてくれるのだろう。

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