波瑠が大事にした、也映子の「涙」 『G線上のあなたと私』ラストに向けた願い

波瑠が大事にした『G線上』也映子の「涙」

「オンエアを見て、自分の表情にびっくりしました」

――第3話では、理人の壁ドンならぬ“シャッタードン”が大きな話題になりました。実際に演じられたときはどのような気持ちでしたか?

波瑠:最初、台本では“壁ドン”となっていましたが、現場に行ったらシャッターの前で、「え、ここでいいの?」となりましたね(笑)。何度か、私の目線のカメラに向かって中川くんがシャッタードンしているのを、横目で見ていたのがシュールで面白かったです! ロマンチックなシーンあるあるですよね、撮影現場では、全然ロマンチックじゃないっていうのが。シャッターなので、ボヨンボヨンって2人で弾んじゃいましたし、「ガシャーン」って大きな音がしましたし(笑)。

――そんな裏側があったんですね(笑)。改めて、中川さんの印象はいかがですか?

波瑠:すごくしっかりしていて、年齢を聞くと「あ、そっか、まだ21歳だったね」となるくらい。落ち着いてらっしゃるし、お芝居がうまいので若いのにすごいなと思います。 私や松下さんっていう年上の女性たちの会話にもすんなり参加していて、とても自然体な方です。

―― 松下さんについては、ドラマ『ナースのお仕事』シリーズ(フジテレビ系)でファンだったとおっしゃっていましたが、共演して何か感じられたことはありましたか?

波瑠:純粋にすごい女優さんです。存在感と説得力があって、グッとくるところはしっかり掴んでくるし、コメディに振ってもツボに入ってくるというか。もう全てが的確です。多分、自分が頭の中で思い描いてやろうというお芝居と、自分の体で表現されるお芝居が一致しているのかと思います。本当に圧倒されました。でも、ご本人はすごく優しくて、明るく和ませてくださいますし助けられました。

――初共演の3人でしたが、すっかり打ち解けましたか?

波瑠:みんな初めてバイオリンを触るという共通体験をきっかけに距離が縮まったと思います。後半は物語の関係で、3人一緒のシーンがすごく少なくなってしまいましたが、それでもたまに会えばバイオリンの話ですぐに盛り上がりました。也映子が弓を買い換えたので、私は新しい弓で練習していますが、やっぱりちょっといい音が出るんですよ。それを見た中川くんから「ちょっと弾いてみたい! 貸して」と言われたり。「やっぱ違うねー」みたいな感じの会話が多いですね。

――眞於先生役の桜井ユキさんは、波瑠さんと「友だちいない自慢で盛り上がった」と教えていただきましたが。

波瑠 :あー(笑)。そうなんです! その流れで「一緒に焼き肉に行こう」と言ったまま、行けていません。意外とスケジュールが合わなくて。いつか実現させたいですね。

――理人の兄・侑人役の鈴木伸之さんとは『あなたのことはそれほど』以来の再共演で、2ショットシーンに懐かしさを覚える視聴者の方も多かったのではないかと思いますが。

波瑠:ちょうど2人だけのシーンは(『あなたのことはそれほど』で演じた主人公の勤務先と同じ)眼科でしたし(笑)。もちろん今回の物語では、也映子と侑人は直接何か関係があったわけではないですが、眞於先生と自分の境遇に近いものを感じていたからか、ちょっと許せないと思っていたんでしょうね。人間って反射があるじゃないですか。オンエアを見て、也映子の表情に自分でびっくりしちゃって。あまりに侑人に対して素っ気なさすぎ、と思って(笑)。やっぱりちょっと拒否感みたいなのがあって許せない感情が也移子にあったのでしょうね。“也映子、普通にね。落ち着こ!”と思って演じましたが、自然と出ちゃっていましたね。

「誰もが幸せになるラストに……」


――人生に迷った也映子が、バイオリンとそれを通じて知り合った仲間に救われていましたが、波瑠さんにとって“これに救われた”というものはありますか?

波瑠:きっとあると思いますが、コレと挙げるのは難しいですね。「あのときのアレに気付かされたな」とか、「あの人がきっかけをくれたな」とか、いついつのコレというよりは、積み重ねや繰り返してきたものに救われているように思うので。この仕事をしていると、迷ったり戸惑ったり、考え込んで抜け出せなくなりそうになることがたくさんありますが、その中で現場にあるものや現場にいる人たちに元気をいただいていますね。意外と、苦しんでいるものそのものに救われることもあるので、世界って表裏一体だなと思ったりします。

――そうですね。好きなものだからこそ、より良くしたいと悩んだり、うまくいかないと絶望したりするものですよね。

波瑠:はい、だから作品を通じて少しでもポジティブなメッセージが伝えられたら、私としても救われますね。結局、自分をどうにかできるのは自分だ、みたいなセリフもあったように、自分が誰といるか、どんな時間を過ごすかも、自分次第だと也映子を演じていて思いました。それは決して諦めではなく前向きな実感というか。なので、也映子たちも、そして見ているみなさんも、誰もが幸せになるラストになったらと願っています。

(取材・文=佐藤結衣/写真=池村隆司)

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■放送情報
火曜ドラマ『G線上のあなたと私』
TBS系にて、12月17日(火)22:00~22:57最終回放送
出演:波瑠、中川大志、松下由樹、桜井ユキ、鈴木伸之、真魚、滝沢カレンほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』コミックス全4巻(集英社マーガレットコミックス刊)
脚本:安達奈緒子
演出:金子文紀、竹村謙太郎、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gsenjou/

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